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高速ビアフィリング硫酸銅めっきプロセス CU‐BRITE 881Z

総合研究所
エレクトロニクス技術開発1部 PWB1課
大森 隆史  Takafumi OHMORI

はじめに

スマートフォンやタブレット端末を始めとした高性能電子機器の市場拡大、それに伴うプリント配線板製造工程における多様な要求に応えるため、当社はこれまで様々なフィルド用硫酸銅めっきプロセスを市場に提供してきた。しかし、従来のフィルドプロセスは、1~2.5A/dm2の電流密度範囲でしか十分な性能を発揮出来ないことからめっきに時間を要し、顧客の生産性向上のニーズに対応可能なものではなかった。
これまではラインの増設による生産能力増強が行なわれているが、既存のラインの生産能力自体を向上できれば、設備投資を抑えることができる。このような背景から、従来よりも高電流密度範囲で優れたフィルド性能を有する硫酸銅めっきプロセス『CU-BRITE 881Z』を開発したので、その諸性能について報告する。

フィルド性能

従来プロセスの高電流密度におけるフィルド性を図1に示す。高電流密度域で性能が大きく低下することがわかる。一方、CU-BRITE 881Zプロセスは図2に示すように、高電流密度域(3~5A/dm2)にて良好なフィリング性能を有しており、短時間でのフィリングを可能にした。

従来プロセスの高電流密度におけるフィルド性を図1に示す。高電流密度域で性能が大きく低下することがわかる。一方、CU-BRITE 881Zプロセスは図2に示すように、高電流密度域(3~5A/dm2)にて良好なフィリング性能を有しており、短時間でのフィリングを可能にした。

皮膜物性

めっき皮膜の引っ張り試験および硬度測定試験の結果を表1に示す。いずれも従来プロセスと同等の良好な物性を確認した。

めっき皮膜の引っ張り試験および硬度測定試験の結果を表1に示す。いずれも従来プロセスと同等の良好な物性を確認した。

結晶配向

めっき皮膜の結晶配向をX線回折法で調べた。図3及び図4はめっき直後およびアニール(熱処理)後のX線回折スペクトルを従来プロセスと比較したものである。従来プロセスと同じく、(111)面の優先配向を確認した。この結果からも、皮膜物性が良好であることがわかる。

めっき皮膜の結晶配向をX線回折法で調べた。図3及び図4はめっき直後およびアニール(熱処理)後のX線回折スペクトルを従来プロセスと比較したものである。従来プロセスと同じく、(111)面の優先配向を確認した。この結果からも、皮膜物性が良好であることがわかる。

おわりに

今回報告したCU-BRITE 881Zは、今まで成し得なかった「高電流密度」「短時間」でビアフィリングが可能である事が最大の特長で、皮膜物性も従来プロセスと比較しても遜色ないものである。今後、顧客内の設備増設が困難な状況下で、既存設備を用いて生産性を向上させる要求は、ますます高まるものと予想され、本プロセスはこのような需要に適合する製品であると考える。

その他記事

JCUテクニカルレポート 98号 2015年8月