経営者からのご挨拶

株主・投資家の皆様へ

 平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。2024年は正月早々、能登半島において大きな地震が発生いたしました。被災されました皆様に、あらためて心よりお見舞い申し上げます。

 国内経済では、一部において設備投資が活発な反面、個人消費が低迷しており、海外では、中国の成長が鈍化していることに加え、資源価格の高騰が続くなど、引き続き注視が必要な状況にあります。 

 当社は、2024年3月で中期経営計画「Next 50Innovation 2nd」の最終年度を終えました。2023年3月期の売上高、営業利益は過去最高値を達成したものの、最終年度は高機能電子デバイス向け電子基板の需要が世界的に低水準で推移したことにより、残念ながら上方修正した目標値に届きませんでした。一方、年間配当は4円増配の70円と、14期連続の増配になりました。2025年3月期(当期)についても、株主還元を安定的に行う基本方針のもと、15期連続の増配を目指してまいります。

 当期は、新たな中期経営計画「JCU VISION 2035-1st stage-」のスタート年度となります。2035年3月期に売上高500億円、営業利益175億円を達成する長期ビジョンを掲げ、その第1ステージとして2027年3月期に売上高310億円、営業利益100億円を計画いたしました。背景にあるのは、飛躍的な市場拡大が見込まれる半導体アドバンスドパッケージです。プリント基板、半導体パッケージ基板の表面処理薬品で築いた実績をもとに、半導体アドバンスドパッケージにおいても流れに乗るだけでなく、その前を行き、唯一無二の存在になることを目指しております。昨年11月には半導体向け表面処理薬品の新ブランド「TIPHARES(ティファレス)」を立ち上げ、第1弾として後工程向けの薬品を市場投入いたしました。来年12月には、土地代を含め約118億円を投じる熊本事業所が竣工する予定で、半導体関連薬品の研究開発を一層加速してまいります。

 当社は創業以来、「表面処理技術から未来を創造する」という企業理念のもと、自動車、プリント基板、電子部品、半導体などの産業の成長を支え、最先端のモノづくりをリードしてまいりましたが、新たに2035年に目指す姿として「独自の強みを最大限に活かし、環境や社会に貢献することで、社会とともに成長し続けるグローバル企業」と定めました。目まぐるしく変化する国際環境に対応しつつ、東証プライム上場企業として企業価値・株式価値の向上に努めてまいります。

 株主の皆様におかれましては、今後とも一層のご支援を賜りますようお願い申し上げます。

代表取締役会長兼CEO 木村 昌志