株式会社JCU

経営者メッセージ

ガバナンスを一層強化、来春の東証再編後はプライム市場へ

新型コロナウイルス感染症の影響が長期化したことにより、企業の2020年度決算は輸出が回復した製造業、テレワークが進んだ情報・通信業などが増益となる一方、移動の制限や時短営業のあおりを受けた航空・鉄道、外食、デパートなどが減益・赤字となり“K字型”と呼ばれる二極化が鮮明になりました。コロナ禍の影響は当社も例外ではなく、2021年3月期は減収を余儀なくされました。しかし、社員の努力によって増益を確保し、11期連続の増配を達成することができました。昨年8月には、初めて時価総額1000億円を突破しました。

 

さて、このような中、東京証券取引所は市場区分の見直しを行い、2022年4月にプライム、スタンダード、グロースの3市場に再編します。最上位のプライム市場の上場維持基準は「流通株式時価総額100億円以上」、「株主数800人以上」などとなっており、当社はこの基準を満たしております。金融庁と東証が共同して事務局を務めるフォローアップ会議は2021年4月、コーポレートガバナンス・コード(CGコード)、投資家と企業の対話ガイドラインの改訂案を公表しました。それによると、とくにプライム市場上場会社には独立社外取締役を3分の1以上とするなどのガバナンス(企業統治)体制、環境、社会、企業統治(ESG)・サスティナビリティ(持続可能性)に関する規定の拡充、グループガバナンスが盛り込まれています。

 

当社は、前身の荏原ユージライトが2003年9月、マネジメント・バイアウト(MBO=経営陣による買収)により経営の自由度を確保し、その後の海外進出が業績を押し上げました。

また、東証一部上場企業としてガバナンスを強化してきたことが企業価値を向上させ、時価総額は上場当時の7倍に増加しました。こうした経緯から、当社はプライム市場に残ることに意義があると考えています。

 

4月から私が代表取締役社長兼CEOになり、その責任を充分自覚しております。より一層のガバナンス強化に向けて社外取締役を2名から4名に増やしました。社外取締役には、企業法務や研究開発型企業に必要な専門知識、豊富な企業経営経験から、当社経営への助言、監督を期待し、社内取締役を含めスキルマトリクスを意識したバランスの良い企業統治体制といたしました。

また、主観的な後継者選出を避けること、目標達成へのプロセスに則った役員報酬を決定することを目的に、指名報酬諮問委員会を設けました。

 

新中期経営計画では、「コア事業の強化」、「ESG視点での経営基盤構築」を基本方針に掲げました。ここで言うコア事業は、表面処理薬品事業および装置事業です。電子分野向けでは、プリント基板用のビアフィリング薬品で優位性を確保していますが、競合他社も接近してきております。自動車部品向けの装飾・機能めっき薬品でも、電気自動車(EV)が増える過程で、装飾の好みがどう変わり、何を提案していけるかを注視していかなければなりません。マーケティング、開発、生産、営業のすべてを強化し、品質・性能はもちろん、総合力、対応力で差をつけていく方針です。

一方、ESG視点での経営基盤構築では、人材育成を最優先課題としています。コア事業強化のためには、人材育成も必須となります。

業績面では、新中期経営計画の最終年度である2024年3月期に過去最高の売上高、営業利益を目指します。

 

持続可能な開発目標(SDGs)については、生産本部である新潟工場(新潟県上越市)の二酸化炭素(CO2)排出量を2031年3月期までに、ゼロまでオフセットする目標を打ち出しました。人工知能(AI)、モノのインターネット(IoT)を活用したスマートファクトリーをはじめ、デジタルトランスフォーメーション(DX)、クリーンエネルギーの整備など、工場のあり方から検討しなければなりません。生産効率も向上させていくことで、目標を達成できると信じています。

 

当社は、売上高に占める中国の比率が約4割となっています。このため、チャイナプラスワンまたはリスク分散の見地から、東南アジア市場の一層の開拓も課題となります。コア事業の強化も、ESG視点での経営基盤構築も、それを成し遂げるのは人材です。社員一人ひとりが成長に努め、グループ一丸となってJCUをさらに素晴らしい会社にしていく所存です。

代表取締役社長兼CEO 木村 昌志