株式会社JCU

経営者メッセージ

2019年の年頭に思う

2019年(平成31年)は平成最後の年でもあり新しい年号に変わります。今上天皇が退位されるためです。今上天皇は昭和天皇ご崩御の後即位され、今日に至るまで皇后とともに国民に寄り添い、心のこもった国民目線で接せられました。決定したとはいえ退位を惜しむ国民が多いのではないでしょうか。震災や水害被害に遭われた地域に労苦を惜しまずご訪問され、被災者の手を取り、労りのお言葉をかけられているお姿は忘れられません。退位後はゆっくりご休養されることと思います。

 

さて、2019年亥年の相場は昨年の「戌笑う」から「亥固まる」と言われています。相場的には上昇が続く年回りで、実際にそうなってほしいと願います。しかし、日本を取り巻く環境は決して楽観視できるような状況ではありません。今年10月には消費税の増税が実施される予定ですが、プライマリーバランスの議論をしっかり行ってほしいと思います。現状は国民の反発を恐れ、軽減税率やポイント還元など、近視眼的なばらまき型のポピュリズム政策に陥っているような気がしてなりません。規制改革の実施についても、第三の矢である成長戦略が放たれないまま、現在に至っています。これでは金融緩和の弊害だけが残り、日本の将来に大きな不安を覚えます。日本の状況好転は、いつになるのでしょうか。

 

一方、海外の動きはどうなるのでしょう。米国大統領の主張は、相変わらず他国の混乱を引き起こし、騒がしい年になるでしょう。米中の貿易摩擦が世界経済の成長に水を差し、結果的に米国経済にも悪影響を及ぼすことを一刻も早く認識すべきです。長年にわたって築き上げられた効率的なサプライチェーンを、貿易不均衡という視点だけで無理やり変更させようという横暴は、成功するはずがありません。米国の善良な国民に実害が出る前に終息させるべきです。ビジネスの世界で育ってきた大統領が、損得勘定で相手企業に仕掛けた強硬戦術を国家レベルでも実践し、危機を煽っているようにしか見えません。

 

英国でもEU離脱を巡って混乱が続くでしょう。今年3月のEU離脱を目指していますが、EUとの最終的な合意に向けて進めていく中で、国内の強い反発があり議会で承認を得られるのか予断を許さない状況です。離脱の可否を国民投票に委ねたことが、大きな間違いであったということです。難民受け入れは大きな問題ですが、日本も同じで現状の幸福感は当然の権利として考え、新たな痛みについては拒否するものです。やはり、政治家が判断すべきだったのです。

 

EU発展の中心的役割を果たしたドイツでも動きがあり、長年にわたり指導力を発揮したメルケル首相が任期満了の2021年で退任することを表明しました。これまでの連立政権の支持率が低下し、ここでも難民問題の対応不満から右派政党の支持が高まっています。難民受け入れに対するメルケル首相の崇高な判断も、痛みを嫌う多数派の前に屈せざるを得なかったようです。

 

このような環境下で、当社は新しい50年に向けてスタートを切りました。中期経営計画で示した基本方針を着実に実践し、持続的な成長を支える基盤を盤石にしなければなりません。昨年は、中国での薬品事業を強化するため、生産体制や技術サポートなどのインフラの充実を目的とした子会社を設立しました。新工場は、今年の秋完成を目指し、近代的な生産設備や分析・解析機器も導入して現地お客様の満足度を向上したいと考えています。

 

また、中国に次ぐ魅力的な市場であるインドについても、本格的な現地活動を開始します。専門知識を持ったスタッフを新たに配置し、将来のビジネスを見据えた情報収集や販売活動を推進し、将来への布石を打つべく実績作りを行わなければなりません。欧州における活動は、現地法人設立の検討を含め、現在調査を行っています。

 

話は変わりますが、私たち上場企業に対し、証券取引所はコーポレート・ガバナンスについて一段と指導を強化してきました。「株主との建設的な対話」「公正な経営を担保する体制」など、詳細な開示が求められるようになりました。皆様に当社をより理解していただくためにも積極的に対応してまいりたいと考えています。

 

このように、事業計画達成と企業価値向上に向けて全社一丸となって邁進する所存です。本年も昨年以上にご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。

 

 

 

代表取締役会長兼CEO 小澤 惠二