経営者メッセージ

努力が実り始める「癸卯」の年   着実に成果を積み重ねる

2023年を迎えました。今年は卯年。ウサギは後ろ足が長く、坂を上るのが巧みなことから「ウサギの上り坂」のことわざがあり、持ち前の力を発揮して物事が早く進むと言われています。また、干支の癸卯(みずのとう)は、「これまでの努力が花開き、実り始める」という縁起の良さを表しています。コロナ禍でいったん沈んだ世界経済、日本経済が真の回復に向かい、ウサギのように未来に向けて飛び上がる年になることを願っております。

当社にとって2023年度は、3ヵ年の中期経営計画の最終年度となります。過去最高の売上高・利益を目指しており、これを達成することで次期の中期経営計画に弾みをつけたいと考えています。

2022年は「変化への対応」を合言葉に、さまざまな手を打ってまいりました。中でも大きい決断は熊本県益城町での開発・製造拠点の新設です。熊本県には今後海外のトップメーカーをはじめ、半導体関連の企業が多数進出する見通しで、日本の半導体産業の復活を目指しています。当社は土地代を含め約84億円を投資し、2025年に研究棟・工場棟からなる熊本事業所(仮称)を竣工する予定です。

半導体分野は技術的な要求が高く、そこに当社はめっき技術、エッチング技術の両輪で挑み、装置を合わせた高度な表面処理技術の確立を目指します。人工知能(AI)を用いて薬品添加剤の最適な組み合わせを探るなど、半導体の高度化に対応したスピード感が重要になり、営業と技術が一体となって情報収集と製品開発に努めます。すでに大学との産学連携やコンソーシアムへの参加を積極的に行っており、2023年はその成果にも期待しています。

一方、海外では昨年は半導体関連など電子部品分野での大型投資が増えているマレーシアでの現地法人設立を決定、2023年4月に開設する予定です。一極集中を避けて事業リスクを分散するという面からもマレーシアは重要な拠点となります。同国にも多数の半導体メーカーが進出しており、東南アジアではすでに現地法人のあるベトナムとマレーシアの電子分野での成長には期待がかかります。今後は当社のインド現地法人を含め、ビジネスの東西回廊を形成できればと考えています。

2023年は以上のように、現在の中期経営計画の最終年度がスタートするうえ、事業拡大・リスク分散を両にらみした熊本事業所の建設、マレーシア現地法人の事業が動き出す年となります。JCUグループの将来に向けた青写真の大枠がほぼできあがったことから、「着実に成果を積み重ねる」ことを合言葉とします。これからも皆さまとともに、成果を積み重ね、事業に弾みをつけてまいります。

代表取締役社長兼CEO
木村 昌志