総合研究所 電子技術開発部

総合研究所 電子技術開発部

M. S

2009年入社

私の仕事

貴金属めっき処理薬品の開発と、プリント基板の試作品の加工を行ってます。

現在、海外メーカー様から依頼を受け、SDカードやゲームカートリッジ用のプリント基板の試作品づくりに取り組んでいます。

配線の接続部分や差込口の金属端子に使われる貴金属めっきは非常に高価なため、なるべくめっきの膜厚を薄くすることでコストを抑えることが薬品に求められます。

1000個分のミニSDカード用パターンが描かれた500mm×600mmの大きなプリント基板をめっき槽で加工します。
1工程におよそ1時間かかります。
仕上がった表面を見ながらめっき処理薬品の条件をかえて4~5回工程を繰り返して膜厚を均一にしていきます。

うまくめっきが付かない時は薬品でなく装置側に原因があることもあり、解決までに1~2週間ほどかかるケースもあります。
根気が求められますが、自分で開発したものを自分で評価できる環境は、研究者として幸せな限りです。

やりがいを感じた事

お客様からのどんなに難しい要望も、自分次第で解決の糸口はつかめる。

貴金属めっきはまだ新しい分野であり、用途に応じて様々な種類があるのでお客様によって求められる性能も異なります。

例えば、現在頂いている要望の一つが基板用の新しい貴金属めっきプロセスです。
通常ワイヤーの接点部分には固定に適したソフト金、接触が多い差込口には耐久性に優れたハード金を使います。
金めっきの種類が違うので2工程必要だったプロセスを1つにする。そんな薬品を求められています。

技術的に難しい部分も多くコスト面も含めてクリアするにはまだ課題は山積みです。
性能を評価してもなかなか結果が出なかったり、無理やり性能を出そうとして失敗を繰り返すこともあります。
ただ、試験を繰り返す中で失敗がヒントになることもあり、失敗も無駄ではないと分かると、諦めずに続けてよかったなと思います。