トップメッセージ
真のグローバル企業めざし「ESG視点での経営基盤構築」着々と


昨今の世界情勢は、以前からの課題であった環境保全などの問題だけではなく、紛争に伴う物資の不足や新型コロナウイルスの蔓延など、予想のつかない事態が数多く発生しています。企業経営も一段と難しい舵取りを迫られることは想像に難くありません。このような不安定な環境下においても企業としての責任を持ち、持続可能な成長を続けていくために、私たちは自社の利益追求だけでなく、事業を営む各国での社会責任を果たす経営をしていかなければなりません。社会の変化とともに当社を取り巻く事業環境も大きく変化しておりますが、JCUグループの目指す姿である「持続可能な成長を続けるグローバル企業」というビジョンに変わりはありません。その実現のためにSDGsへの貢献はもとより、中期経営計画基本方針の一つである「ESG視点での経営基盤構築」には引き続き注力しています。
まず「環境(Environment)」では、温室効果ガスの発生を可能な限り削減する取り組みを継続しています。2020年度から稼働が始まった当社の中国湖北工場(湖北省仙桃市)では、屋上に大型の太陽光パネルを設置し、同工場における最大電力使用量の約40%を発電できるようにしました。日本国内では、生産本部(新潟県上越市)でも2022年度内に太陽光パネルの増設を実施し、同事業所で使用する電力の約60%を賄えるようにする予定です。また、各事業所ではエアコンや照明などの設備を省エネルギー型のものに更新し、電気使用量の削減に取り組んでいます。開発部門では環境を意識した製品開発が着実に進んでおり、今後の市場は環境対応製品が中心となってけん引していくと考えております。
次に「社会(Social)」では、「ESG視点での経営基盤構築」の最優先課題として掲げている人材育成に力を注いでいます。具体的には、2021年度から海外短期研修制度を設けました。主に若手の社員が対象で、短期間の海外現地法人での業務体験を通じて、グローバルな視点で考えることができる人材に成長してもらうことを期待しています。また、総合研究所ではスキルマトリクスを採用し、本人にとっても会社にとっても適材適所で活躍できるキャリアパスの形成を目指します。営業本部では「営業力育成活動計画進捗管理シート」を採用し、必要なスキルの底上げを実施しています。加えて、女性がより活躍できる職場環境づくりも重要な課題です。JCUでは社外取締役に加え、2022年4月に新しく女性の執行役員を1名選出しました。経営に女性の意見を取り入れることで、多様性が尊重される体制の強化を実践していきます。
最後に「企業統治(Governance)」では、2022年度にTCFD提言において推奨される4つのテーマ(気候変動のリスク・機会に関するガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標)に関する気候変動関連情報を開示しました。また、取締役のスキルマトリクスを作成し、コーポレート・ガバナンスに関する報告書で開示しました。取締役選任の適切性を開示することで、経営の一層の透明性向上を図ります。これらの内容をもとに企業としての改善・対策を進め、ガバナンスの強化を目指します。
JCUグループは皆さまとのつながりを大切にし、感謝を忘れず、「一期一会」の精神で、持続可能な成長を継続し、真のグローバル企業を目指してまいります。


