トップメッセージ

新たな表面処理技術の追究で未来の扉を拓き
世界中の人々の豊かな生活に貢献します。

JCUグループの理念から企業価値、
経営計画や今後の方向性について、
代表取締役社長の木村からご報告いたします。

代表取締役社長兼CEO 木村昌志
代表取締役
社長兼CEO木村昌志

企業理念に込められた思い

JCUグループは、1968年に荏原製作所、荏原インフィルコおよび米国ジ・ユージライト・コーポレーションの出資による合弁会社として誕生し、めっき技術を中心とするさまざまな表面処理薬品や装置を提供することで、自動車、エレクトロニクスといった産業の成長に貢献してきました。

2017年には、創立50周年を迎えるにあたり、企業理念を現在の「表面処理技術から未来を創造する」に変更しており、この企業理念には、従業員たちの「表面処理技術を通じて社会貢献していきたい」という思いや、過去の知見を活かして従業員の想像力から未来を創造していく思いが込められています。まさに装飾・機能分野から発展して生まれたビアフィリング技術は、直接的には目にすることはできませんが、スマートフォンをはじめとする様々な高機能電子機器の小型化・高性能化に対し、必要不可欠な技術で、縁の下の力持ちとして、社会に貢献しています。

我々は、企業理念である「表面処理技術から未来を創造する」を基に、今後も表面処理技術を追求し、社会の発展に貢献してまいります。

中期経営計画の進捗

当社は2021年5月に、2022年3月期からの3カ年計画として中期経営計画「Next 50 Innovation 2nd」を発表するとともに、目指す姿に「持続可能な成長を続けるグローバル企業」という企業像を掲げております。この目指す姿には、ESG・SDGsに則った事業経営を行う企業、どの国でも生き残ることができる企業といった意が込められています。目指す姿を実現するにあたり、基本方針は「コア事業の強化」と「ESG視点での経営基盤構築」としています。「コア事業の強化」では、JCUグループ全体での連携を強化し、組織的なマーケティング活動で獲得した情報に基づき開発戦略と販売戦略を策定しています。「ESG視点での経営基盤構築」では、グローバル業務の拡大と、企業を取り巻く環境の変化に対応できる体制を目指しており、そのために必要となる人材の育成に、最優先で取り組んでいます。

これにより、「コア事業の強化」は大きく進展しました。中でも、中長期の開発ロードマップでテーマに掲げた環境配慮型製品が、次々に誕生しました。また、今後必要とされる表面処理技術として、電子分野では次世代半導体パッケージ基板向けの新たなめっき技術とエッチング技術、装飾・機能分野では環境負荷が少ない表面処理技術の研究開発を進めています。

「ESG視点での経営基盤構築」では、人材育成を最優先課題としていますが、特に、海外における売上高比率の大きな当社にとってグローバルに活躍できる人材が非常に重要です。社員が積極的に海外へ挑戦できるよう後押ししてあげることを常に心がけています。そのため、海外研修制度や帰任者との対話を取り入れるなど、社員に高いモチベーションを持ってもらうための施策を模索しながら、人材育成を推進しています。

また、100名近い従業員が従事する総合研究所の社員の30%強が女性であり、昨年には女性執行役員も選出し、女性管理職比率は国内で11.3%、海外を含む連結では20%強と女性が活躍できる場を広めています。

そして、「CO2削減への取り組み」では、国内全拠点を対象に太陽光パネルの増設や環境負荷の少ない最新設備への改修・更新などを実施しました。その結果、2014年3月期のCO2排出量を基準とし、2024年3月期までに20%削減するという目標を1年前倒しで、2023年3月期に達成することができました。今は、生産本部において、2031年3月期までに「CO2ゼロ」という目標に向け、さらに邁進しています。

将来を見据えた新たな国内拠点

当社は2022年9月に熊本県益城町へ新たな拠点を設立することを発表しました。現在日本は、半導体産業の復活を目指し、各社が積極的に技術開発を行っています。我々は、その中心地となる熊本に、半導体関連薬品の研究開発から製造までの一貫体制を備えた拠点を設置します。それにより、日本における半導体産業の活性化に貢献したいと考えています。研究開発では、DXを活用した研究開発の効率化の推進、製造ではロボットなどの自動化技術を積極的に導入し、スマートファクトリー化を計画しています。環境への配慮から排水のリサイクルも目指します。熊本事業所(仮)の誕生により、研究開発から製品化までのスピードアップを実現するとともに、国内生産のBCP対策としての機能も整えます。竣工は2025年4月の予定です。

事業継続に向けた取り組み

現中期経営計画では、各項目でモニタリングを行い、最終年度での達成に向けた対応を進めています。次期中期経営計画では、新たな施策を検討するとともに、CO2削減など継続性のあるテーマについても盛り込む予定です。

私は社長就任後、事業継続に向けた取り組みの一つとして社内の内政改革に力を入れてきました。昨今は、CGコード対応をはじめ女性活躍推進、環境への取り組み、非財務情報の開示など取り組むべきことが多岐にわたります。その中でも、今後当社の成長のカギを握るのは、人材の活用と育成です。従業員のモチベーションを高め、事業を通して社会へ貢献していくことが企業価値を高めると考えています。

JCUグループはこれからもグループ一体で表面処理技術を追究し、ESG視点での経営で人々の豊かな生活に貢献します。引き続き、JCUグループにご期待ください。

代表取締役社長 木村昌志