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太陽電池カバーガラス用の反射防止膜

総合研究所
新事業技術統括部
コーティング技術1課
鍋嶋 三弘 Mitsuhiro NABESHIMA / 熊谷 真吾 Shingo KUMAGAI / 陳 建雄 Chienhsiung CHEN

 

ドライ技術1課
堀江 邦明 Kuniaki HORIE

はじめに

当社の反射防止膜技術は、太陽光発電パネルのカバーガラスに応用されている。カバーガラスは、光の透過性・耐摩耗性・防眩性等の機能が要求され、その中でも特に光の透過性を高めることが求められている。従来のカバーガラスは無コーティングのものが多いが、今回開発したコーティング膜を付加することにより透過性を大きく高めることができる。本コーティングを施したカバーガラスを実装したモジュールを使用し、実際に発電効率が向上した事例を含め現況を報告する。

反射防止膜の特性

太陽電池カバーガラス用の反射防止膜は単層膜で構成されているのが一般的である。これに対し今回製作したものは、ゾル・ゲル液を使用して成膜した3層構造となっている。それは単層膜では透過率の向上に限界があり、また太陽電池の特性に合致した波長による透過率の最適性能を得ることが困難だからである。今回得られた特性を他社と比較したものを表1に示す。

太陽電池カバーガラス用の反射防止膜は単層膜で構成されているのが一般的である。これに対し今回製作したものは、ゾル・ゲル液を使用して成膜した3層構造となっている。それは単層膜では透過率の向上に限界があり、また太陽電池の特性に合致した波長による透過率の最適性能を得ることが困難だからである。今回得られた特性を他社と比較したものを表1に示す。

コーティングプロセス

前述の反射防止膜を形成するためには膜特性(屈折率)と膜厚の制御が重要となる。液の調合を工夫しながら各層の屈折率を調整し、全体の光の透過性を光の波長別に最適な条件としている。
膜厚の制御は各々の液でのディッピング槽からの引上げ速度を調整することで最適な膜厚を得ている。この引き上げ方式によるコーティングは安価で且つ膜厚制御が比較的容易なため本プロセスには最適である。
また、コーティング後は最終的に550℃で熱処理を行い、無機コーティング層を形成する(図1参照)。この熱処理により、膜の高い耐摩耗性や後述の諸特性を得ることができる。

図1 熱処理条件

前述の反射防止膜を形成するためには膜特性(屈折率)と膜厚の制御が重要となる。液の調合を工夫しながら各層の屈折率を調整し、全体の光の透過性を光の波長別に最適な条件としている。
膜厚の制御は各々の液でのディッピング槽からの引上げ速度を調整することで最適な膜厚を得ている。この引き上げ方式によるコーティングは安価で且つ膜厚制御が比較的容易なため本プロセスには最適である。
また、コーティング後は最終的に550℃で熱処理を行い、無機コーティング層を形成する(図1参照)。この熱処理により、膜の高い耐摩耗性や後述の諸特性を得ることができる。

図1 熱処理条件

試験結果

(1)今回試験に使用したモジュールを図2に示す。
このモジュールにコーティングしたカバーガラスを組み込み、実際の発電量を測定した。その結果、コーティングをしない場合に比べて、5.9%の発電力向上結果を得ることができた。

(2)屋外暴露試験
コーティング膜の耐久性を確認するため、カバーガラスを組み込んだモジュールを屋外に設置して経時変化を調べた。暴露試験前後の発電量を図3に示す。暴露前後で発生電力に大きな差はなく、コーティング膜の効果が保たれている。

図2 試験用モジュール

図3 屋外暴露試験

(1)今回試験に使用したモジュールを図2に示す。
このモジュールにコーティングしたカバーガラスを組み込み、実際の発電量を測定した。その結果、コーティングをしない場合に比べて、5.9%の発電力向上結果を得ることができた。

(2)屋外暴露試験
コーティング膜の耐久性を確認するため、カバーガラスを組み込んだモジュールを屋外に設置して経時変化を調べた。暴露試験前後の発電量を図3に示す。暴露前後で発生電力に大きな差はなく、コーティング膜の効果が保たれている。

図2 試験用モジュール

図3 屋外暴露試験

まとめ

今回の試験結果を受け、現在は量産ラインの構想を検討している。早急に市場に投入して発電量のアップに貢献したいと 考えている。

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JCUテクニカルレポート 90号 2011年8月