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銅ダイレクトレーザーVia形成における 銅表面レーザー前処理プロセスの紹介

総合研究所
エレクトロニクス技術開発1部
エッチング技術課
安藤 裕久 Hirohisa ANDO

はじめに

スマートフォンに代表される電子機器の小型・高性能化要求により、内蔵されるプリント基板においては高密度配線・実装面積の確保可能なビルドアップ工法による多層化が必須となっている。
ビルドアップでの層間接続用の止まり穴(以下Via)の加工は炭酸ガス(以下CO2)レーザーが主流であるが、銅に対するレーザーエネルギーの吸収が極端に低いため、従来はVia加工上部の表層銅箔を予めエッチングにて除去した後、樹脂をレーザー照射するコンフォーマル、ラージウインド法が採用されてきた。
しかし、ビルドアップの多層化では、表層銅箔をエッチングする際の位置ずれ精度の影響が大きいことや、ビルド層毎に表層銅箔のエッチング工程が入るため、精度・工程短縮化の両面で銅箔ダイレクト加工の需要が高まっている。
前記のとおり、CO2レーザーは銅に対するレーザーエネルギー吸収が極端に低いため、銅表面にエネルギー吸収率を高める処理を施す必要がある。表面処理としては、銅表面に酸化銅皮膜を形成する黒化処理が知られているが、現在では工程管理簡易・薄板搬送性・環境負荷要求により黒化処理からエッチング系粗化処理に移行しつつある。
今回、水平搬送可能なエッチング系粗化処理についてCO2レーザー吸収率の高い表面処理を開発したので紹介する。

特長と穴加工性

(1)特長
本開発品は過酸化水素/硫酸系の銅エッチング液である。スプレー処理等の水平搬送が可能で銅表面に、「粗化凹凸形状」を形成する(表1)。
粗化凹凸により表面積を拡大させることによって、レーザー吸収量が増加し、高いレーザー吸収性を示す。


(2)加工エネルギー
図1はCO2レーザーエネルギー量毎に銅開口径を表したものである。黒化処理と比較して低いエネルギー域で穴径到達点(エネルギーを増加させても穴径が大きく変化しなくなるエネルギー値)が得られている。

図1 CO2レーザーエネルギー量VS 銅開口径

(2)加工エネルギー
開発品と黒化処理品でのVia加工状態の比較より、穴径および真円度のバラツキに差異はほとんど見られない(表2)。
また、本処理品にて、デスミア→バリ取りエッチング(開発中)→めっき加工を行ったものは、めっきの付き回りに異常は見られず、層間接続信頼性においても黒化処理と差異はないと考える(表3)。


(4)エッチング量の影響
エッチング系粗化処理は黒化処理と比較し、運用時のエッチング量増減によって銅厚が変化するため、穴径への影響が出やすい傾向がある。
本開発品はエッチング量2um~3umにてレーザー加工時のVia径への影響が少なく、運用においても管理可能な範囲と考える。(図2)

図2 開発品エッチング量別Via開口径

(5)キズ耐性
水平搬送処理時または受取機(合紙重ね)によって処理表面にキズが生じてしまう可能性がある。これらのキズによってVia形成に影響が出るか評価を行った(表4)。
尚、水平搬送処理時のキズは搬送ロールとして一般的に使用されているリングロールを押しつけて発生させたもの、合紙のキズは合紙で擦ってつけたものである。
結果より、キズによる穴径および真円度のバラツキに若干の影響はあるものの未加工部や極端な穴縮小は見られなかった。


(6)スカイビング加工
銅ダイレクトレーザーVia加工においては、加工穴位置決めの為、内層アライメントマーク用の加工(スカイビング)を行う場合がある。
内層のマークを露出させるため、広角の加工が必要になるが、開発品は穴径ピッチ0.1mm以下で表層の銅残り無く加工が可能。また、ピッチ0.2mmでのVia未加工部およびスペース部の銅箔剥離は見られない(表5)。

(1)特長
本開発品は過酸化水素/硫酸系の銅エッチング液である。スプレー処理等の水平搬送が可能で銅表面に、「粗化凹凸形状」を形成する(表1)。
粗化凹凸により表面積を拡大させることによって、レーザー吸収量が増加し、高いレーザー吸収性を示す。


(2)加工エネルギー
図1はCO2レーザーエネルギー量毎に銅開口径を表したものである。黒化処理と比較して低いエネルギー域で穴径到達点(エネルギーを増加させても穴径が大きく変化しなくなるエネルギー値)が得られている。

図1 CO2レーザーエネルギー量VS 銅開口径

(2)加工エネルギー
開発品と黒化処理品でのVia加工状態の比較より、穴径および真円度のバラツキに差異はほとんど見られない(表2)。
また、本処理品にて、デスミア→バリ取りエッチング(開発中)→めっき加工を行ったものは、めっきの付き回りに異常は見られず、層間接続信頼性においても黒化処理と差異はないと考える(表3)。


(4)エッチング量の影響
エッチング系粗化処理は黒化処理と比較し、運用時のエッチング量増減によって銅厚が変化するため、穴径への影響が出やすい傾向がある。
本開発品はエッチング量2um~3umにてレーザー加工時のVia径への影響が少なく、運用においても管理可能な範囲と考える。(図2)

図2 開発品エッチング量別Via開口径

(5)キズ耐性
水平搬送処理時または受取機(合紙重ね)によって処理表面にキズが生じてしまう可能性がある。これらのキズによってVia形成に影響が出るか評価を行った(表4)。
尚、水平搬送処理時のキズは搬送ロールとして一般的に使用されているリングロールを押しつけて発生させたもの、合紙のキズは合紙で擦ってつけたものである。
結果より、キズによる穴径および真円度のバラツキに若干の影響はあるものの未加工部や極端な穴縮小は見られなかった。


(6)スカイビング加工
銅ダイレクトレーザーVia加工においては、加工穴位置決めの為、内層アライメントマーク用の加工(スカイビング)を行う場合がある。
内層のマークを露出させるため、広角の加工が必要になるが、開発品は穴径ピッチ0.1mm以下で表層の銅残り無く加工が可能。また、ピッチ0.2mmでのVia未加工部およびスペース部の銅箔剥離は見られない(表5)。

おわりに

銅ダイレクトレーザー前処理においては現状、黒化処理の検討が主流であるが、今後HDIエニーレイヤー基板等の薄板が多くなると、水平搬送などの治具へのセットが必要の無い処理が要求される。
本開発品は、水平搬送処理が可能な上、黒化処理と同等以上のレーザー吸収性能を有しており、更には従来のエバケムネオブラウン® NBDIIと同等の樹脂との密 着性を有しているので、積層前処理として活用出来ることも特長とし、次世代基板対応のプロセスとして、更なる小型・高性能化、生産性向上に貢献できればと考えている。
尚、文中にある「バリ取りエッチング」についても近日中の製品化を予定しており、銅ダイレクトレーザー前処理だけではなく前後工程でのプロセス対応、更にはデスミアまたはプラズマ・無電解銅めっき・電解銅めっきの一連工程に亘る荏原ユージライト(JCU)製品でのトータルソリューションを提案していきたい。

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JCUテクニカルレポート 90号 2011年8月