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細線化対応エッチング液の紹介

DENSAN統括部
木村 昌志 Masashi KIMURA / 小出 麻理 Mari KOIDE

はじめに

当社は株式会社荏原電産のプリント配線板関連事業の譲渡 を受け、2010年4月1日より事業を開始しました。
株式会社荏原電産は1980年米国のめっき液やエッチング液 など販売しているメーカーから技術供与を受け、日本国内で エッチング液の製造販売を開始しました。主な製品は、プリント 配線板の回路形成用エッチング液や銅表面処理液、更に基板 の取付用冶具上にめっきされた銅エッチング液であり、晶析技術 を利用した硫酸銅回収装置も合わせて販売しておりました。
株式会社荏原電産で培った30年に渡る経験を活かし、今では パッケージ配線板や高密度高機能配線板向けのSAP・MSAP 用の回路形成エッチング液をはじめ、各種レジストとの密着性 向上を図る銅粒界エッチング液などさまざまな最先端技術の ニーズに対応する製品開発を独自に行なってまいりました。
一方、プリント配線板のダウンサイジング化に伴い薬液で処理 するための水平搬送装置の開発にも取り組んできており、極薄 のフレキシブル配線板をはじめとする各種多様な処理を可能と した装置の販売も行ってきました。お客様が望まれる生産性 向上と効率UP、不良撲滅など対応すべく薬液と装置の一体 販売を可能としました。
このようなエッチング技術の取り込みにより、当社の主力である めっき技術とのシナジーが図れ、プリント配線板製造のトータル ソリューションをご提供してまいります。

細線化対応プロセスの紹介

高密度高機能化の要求のため配線の細線化が進み、セミ アディティブ法が多く用いられている。ここでは回路幅によるセミ アディティブ法のプロセスの違いを示し、各プロセスに対応する 製品の一部を紹介する。

高密度高機能化の要求のため配線の細線化が進み、セミ アディティブ法が多く用いられている。ここでは回路幅によるセミ アディティブ法のプロセスの違いを示し、各プロセスに対応する 製品の一部を紹介する。

用途に応じた製造プロセスの違い

①セミアディティブ法 電解銅箔べース
回路幅が50μm~100μmの製品に適用
主な製品: 携帯電話

表1 プロセスと対応製品

●ハーフエッチング=>ハイパーエッチHE-500
主成分は過酸化水素/硫酸系、電解銅箔を均一に薄膜化し、 微細なパターン形成の精度を向上させる。

図1 処理後の面内均一性データ

●フラッシュエッチ=>ファインエッチFE-830Ⅱ
主成分は過酸化水素/硫酸系、回路の縮小化、ボトム部の 裾ひき、トップ部の丸型を抑える。

図2 セミアディティブプロセス簡略図-電解銅箔ベース

図3 断面形状比較 SEM写真

上記、断面写真より通常のエッチング液後とファインエッチ FE-830Ⅱ処理後を比較すると、FE-830Ⅱ処理後の方が回路の 縮小化が抑えられ導体体積が確保されているのが確認できる。

②セミアディティブ法 無電解銅箔べース
回路幅が50μm以下の製品に適用
主な製品:パソコン、ノートパソコン、ゲーム機

表2 プロセスと対応製品真

●フラッシュエッチ ⇒ ファインエッチSAC
主成分は過酸化水素/硫酸系、下地の無電解銅を優先的に 溶解させるため少ないエッチング量で回路を形成することが可能。

図4 セミアディティブプロセス簡略図-無電解銅ベース

図5 断面形状比較 SEM写真

上記、断面写真より通常のエッチング液後とSAC処理後を比較 すると、SAC処理後の方が少ないエッチング量で回路が形成 されるため、回路幅・厚みが維持されているのが確認できる。

●銅表面粗化 ⇒ ネオブラウンNBDⅡ
主成分は過酸化水素/硫酸系、銅表面を粗化させることで 表面積を広くし、アンカー効果により樹脂との密着力を向上させる。

図6 表面SEM写真

①セミアディティブ法 電解銅箔べース
回路幅が50μm~100μmの製品に適用
主な製品: 携帯電話

表1 プロセスと対応製品

●ハーフエッチング=>ハイパーエッチHE-500
主成分は過酸化水素/硫酸系、電解銅箔を均一に薄膜化し、 微細なパターン形成の精度を向上させる。

図1 処理後の面内均一性データ

●フラッシュエッチ=>ファインエッチFE-830Ⅱ
主成分は過酸化水素/硫酸系、回路の縮小化、ボトム部の 裾ひき、トップ部の丸型を抑える。

図2 セミアディティブプロセス簡略図-電解銅箔ベース

図3 断面形状比較 SEM写真

上記、断面写真より通常のエッチング液後とファインエッチ FE-830Ⅱ処理後を比較すると、FE-830Ⅱ処理後の方が回路の 縮小化が抑えられ導体体積が確保されているのが確認できる。

②セミアディティブ法 無電解銅箔べース
回路幅が50μm以下の製品に適用
主な製品:パソコン、ノートパソコン、ゲーム機

表2 プロセスと対応製品真

●フラッシュエッチ ⇒ ファインエッチSAC
主成分は過酸化水素/硫酸系、下地の無電解銅を優先的に 溶解させるため少ないエッチング量で回路を形成することが可能。

図4 セミアディティブプロセス簡略図-無電解銅ベース

図5 断面形状比較 SEM写真

上記、断面写真より通常のエッチング液後とSAC処理後を比較 すると、SAC処理後の方が少ないエッチング量で回路が形成 されるため、回路幅・厚みが維持されているのが確認できる。

●銅表面粗化 ⇒ ネオブラウンNBDⅡ
主成分は過酸化水素/硫酸系、銅表面を粗化させることで 表面積を広くし、アンカー効果により樹脂との密着力を向上させる。

図6 表面SEM写真

おわりに

今後、細線化はさらに進みプロセス1つ1つに更なる最適化が 必要不可欠となることが予測されます。また、低価格化が進行 している状況下では、付加価値のある製品が必須となり、更なる 高機能化=ファイン化が望まれています。
既存のめっき及びエッチング技術を融合する事で、市場の 要求に対応した最先端技術をトータルプロセスとしてお客様に ご提案できると確信しております。

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JCUテクニカルレポート 88号 2010年8月