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JCUテクニカルレポート バックナンバー一覧

クロム酸エッチングフリープロセス

総合研究所
次世代技術開発1部第1課
福島 敏明  Toshiaki FUKUSHIMA / 倉持 保之  Yasuyuki KURAMOCHI / 衣幡 和男  Kazuo IBATA / 谷本 由実  Yumi TANIMOTO / 中山 香織  Kaori NAKAYAMA

はじめに

自動車業界や家電業界をはじめとする様々な分野で、環境負荷の軽減対策は必要不可欠な取り組みとなっている。環境問題を配慮することは企業の義務の一つでもあり、昨今の経済不振の中にあってもその重要性はますます高いものとなっている。
そのような中、現在当社で開発を進めているPOPSTARはクロム酸エッチングの代替を目的とした環境調和型めっきプロセスである。エッチングには過マンガン酸を使用し、前処理工程自体も工程数の短縮、廃水性の改善などの利点を持つダイレクトプロセスにも対応している。昨年報告した第1報では、密着性や析出性など各種めっき性能について紹介したが、その後の改良の結果、エッチング液の安定性をさらに強化することができた。本報では、エッチングの安定性およびプロセス全般について紹介する。

プロセスの特長

1) 過マンガン酸によるエッチングのため有害な6価クロムを含まない。
2) 過マンガン酸の安定性が高く、電解再生装置など大型設備が不要。
3) ダイレクトめっきプロセスが可能。
4) パラジウム触媒の低濃度化が可能。
5) 治具被覆部へのめっき析出を抑制することができるため、ワンラック方式でめっきが可能。

1) 過マンガン酸によるエッチングのため有害な6価クロムを含まない。
2) 過マンガン酸の安定性が高く、電解再生装置など大型設備が不要。
3) ダイレクトめっきプロセスが可能。
4) パラジウム触媒の低濃度化が可能。
5) 治具被覆部へのめっき析出を抑制することができるため、ワンラック方式でめっきが可能。

工程

表面粗化形状

写真1に各エッチング後のABS表面SEM像を示す。POPSTARエッチングでは処理時間が長くなると表面粗化形状が増大する傾向が見られるが、クロム酸エッチングほど粗大な凹凸を形成しないことがわかる。

写真1 ABS表面のSEM像(各エッチング後)

写真1に各エッチング後のABS表面SEM像を示す。POPSTARエッチングでは処理時間が長くなると表面粗化形状が増大する傾向が見られるが、クロム酸エッチングほど粗大な凹凸を形成しないことがわかる。

写真1 ABS表面のSEM像(各エッチング後)

エッチング液の安定性

POPSTARエッチング液を3ヵ月間使用し続けた場合の過マンガン酸消耗量の推移を図1に示すが、改良後のエッチング液は旧エッチング液に比べ、過マンガン酸の消耗量を1/3程度まで低減することができた。

図1 連続使用による過マンガン酸の消耗量

POPSTARエッチング液を3ヵ月間使用し続けた場合の過マンガン酸消耗量の推移を図1に示すが、改良後のエッチング液は旧エッチング液に比べ、過マンガン酸の消耗量を1/3程度まで低減することができた。

図1 連続使用による過マンガン酸の消耗量

おわりに

POPSTARは、ますます高まる環境への配慮に応えるべく開発した新規めっきプロセスである。今後は、コストや扱いやすさなど工業的価値を高め、市場への早期定着を目指したいと考えている。

その他記事

JCUテクニカルレポート 86号 2009年7月