従業員
JCUグループは、従業員の持つ個々の能力を活かすことが経営の大きな柱と考え、人材育成と働きやすい職場環境の整備に取り組んでいます。
働きやすい職場環境
雇用の定着に向けて
JCUは、従業員の定着のための取り組みをすすめています。従業員には、自分の能力を発見し伸ばす機会として、自己啓発のためのセミナー受講、事業成長を見据えた展示会見学、語学研修などを推奨しています。また、各個人は目標管理シートを使用して個人目標の設定を行っています。目標管理シートを使用することで、個人の目標をより明確化し、ステップアップした業務を行えているのか、やりがいを高められているのかを確認できる仕組みになっています。その他にも福利厚生の充実など、働きやすい環境づくりに努めています。
JCUではこのような取り組みが、従業員の定着に寄与しているかどうかの目安として、新入社員の定着率や平均勤続年数、離職率を算出しています。
過去3年間(2019年度から2021年度まで)に入社した新入社員の定着率は、100%となりました。平均勤続年数は、男性15.4年、女性13.9年であり、前年度より向上しています。業界の平均勤続年数(製造業 男性15.5年女性11.7年※1)と比較すると、特に女性の平均勤続年数は2年以上、上回る結果となっています。また、2017年度以降は、平均勤続年数は男女ともに徐々に上昇する傾向にあります。
離職率は、前年度の調査では6.1%でしたが、2021年度では4.8%※2となりました(参考:2021年度上半期の製造業業界の平均離職率は5.1%※3)。離職率の内訳は、自己都合が4.0%、会社都合が0%、それ以外の定年退職などが0.8%です。
※1 厚生労働省「賃金構造基本統計調査 結果の概況」より抜粋
※2 厚生労働省「上半期雇用動向調査 結果の概況」より抜粋
※3厚生労働省「令和3年上半期雇用動向調査 結果の概況」より抜粋
ハラスメント対策
JCUグループでは、ハラスメント防止対策として、社内にセクハラおよびパワハラ相談室を常設しています。各事業所には窓口の担当者として男性・女性各1名ずつが配置され、イントラネットで周知を行うなど相談しやすい環境づくりを行っています。また、全従業員を対象としたハラスメント防止方針を策定し、各種ハラスメントの未然防止と問題解決、プライバシーの保護に努めています。
加えて、メンタルヘルス、および各種ハラスメントなどに対応する相談窓口(EAP/従業員補助プログラム)を社外に設けており、従業員の抱えるストレスや悩みなどにいち早く対応できるようにしています。EAP講師によるメンタルヘルスケア研修やパンフレットとカードの配付、年4回のイントラネットでの情報発信などにより、管理職を含む全従業員が働きやすい環境づくりを行っています。

多様性と機会均等
JCUグループは、多様性を尊重し、機会の均等を図っています。雇用条件についても性別などにおける差は設けていません。




育児と介護
JCUでは多様性を生かして働いてもらうため、厚生労働省の定めた法定の日数よりも多く取得できる育児休業制度や男性従業員も利用している育児短時間勤務制度を設けています。また、同様に介護休業制度も設けています。


産休、育児休業、介護休業制度の概要
人材育成
JCUグループは、中期経営計画の基本方針の一つに「ESG視点での経営基盤構築」を掲げており、その最優先課題が人材育成です。当社の目指す姿である「持続可能な成長を続けるグローバル企業」となるためには、従業員一人ひとりの成長が欠かせません。そのために、人材育成プログラムの充実に力を注いでいます。
新入社員は入社後約2ヵ月にわたり、実験を行いながら表面処理の原理を学ぶ技術研修、原料の投入から出荷までの薬品製造工程を学ぶ工場研修、当社薬品を使用するお客さまの生産現場に同行する営業研修など、各部門で研修を受けます。これにより、当社グループの強みを理解・体験し、よりよい製品・サービスを提供するために必要な基礎知識の習得を行っています。また、情報漏洩防止、法令順守の徹底を図るため、定期的な情報セキュリティ教育やコンプライアンス教育などを行っています。
事業所ごとの人材育成の取り組みとしては、生産本部ではヒヤリ・ハットなどの問題発見力の強化のための研修を行っています。総合研究所ではスキルマトリクスを採用、従業員に客観的な視点から個人の能力を把握することで、適性についての意識を持ってもらう取り組みをしています。また、営業本部では「営業力育成活動計画進捗管理シート」を作成し、必要なスキルの習得に役立てています。海外の各事業所でも現地社員のスキル向上のため、技術勉強会、法令規制に関する勉強会など各種研修を行っています。
加えて、JCUでは以下のような研修プログラムを用意し、組織のグローバル化に対応した従業員の成長をサポートしています。
従業員の育成のため、JCUグループは今後もさまざまな施策を行ってまいります。
◆JCUグループが求める人材像
当社に必要な人材 | テーマ | |
---|---|---|
高い開発力のある人材 | 高いサポート力の ある人材 |
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グローバルに 対応できる人材 | 経営視点を持つ人材 |
語学研修制度
語学研修は社員の能力向上、自己啓発活動の推進を目的として行っています。
2020年度は新型コロナウイルス感染症の影響で研修を一時見合わせましたが、2021年度は、オンライン語学研修として実施を再開しました。
海外研修制度
2021年度から若手社員を対象とした海外研修制度を始めました。これは、海外での勤務に関心がある希望者が短期間の海外現地法人での業務を体験し、その経験を通じてグローバルな視点をもった人材に成長することを目的としています。従業員が各国での働き方や文化の違いに直接触れることで、個々の適性を再発見することも期待しています。
◆人材育成のための研修プログラム

健全な労使関係
JCUグループには、役員・従業員の相互の福祉および親睦を図る目的で、「EUCOの会」という社内団体があります。各部署から選出された幹事を中心に、会社への労働条件の改善提案や、各種クラブ活動、および社員旅行などのイベント企画・運営などを行っています。
2021年度は昨年度に引き続き新型コロナウイルス感染症の影響により、大人数が集まるクラブ活動、イベントなどの実施は見送りましたが、Web会議を通して、経営者と従業員とのコミュニケーション活動を定期的に行いました。
なお、「EUCOの会」の会名は、株式会社JCUの前身である荏原ユージライト株式会社(Ebara Udylite Corporation)から名付けられたものです。
人権の尊重
JCUグループは、人種、信条、性別、年齢、社会的身分、国籍、民族、宗教、障がいの有無などにより差別を行わないことを行動基準に掲げています。また、すべての事業所で児童労働・強制労働が行われていないことを継続して確認しています。
労働安全
JCUグループは、労働安全衛生に関して「安全衛生管理規程」を策定し、それに基づき従業員の安全確保に努めています。国内の各事業所には安全衛生推進者と安全責任者が配置され、安全衛生を推進しています。本社、総合研究所、生産本部では月1回の安全衛生に関わる委員会を開催しています。
委員会ではパトロールやヒヤリハットの洗い出し、消防・避難訓練などを行い、安全衛生に関する意識の高い安全な職場を実現するための取り組みを行っています。
従業員の声
JCUは、2022年4月から東京証券取引所の新市場区分への移行で「プライム市場」を選択いたしました。2021年6月に改定されたコーポレートガバナンス・コードでは、特に「多様性の確保」と「女性の登用」について言及されています。
今回、2022年4月から執行役員に就任した女性社員に、執行役員となって感じたこと、これまでの仕事や今後のJCUグループのあり方などついてお話をうかがいました。
台湾JCU股份有限公司
総経理 時尾 香苗
Q
これまでの経歴・キャリアと、ご自身の転機となった職務経験などを教えてください。
A
当社の総合研究所が「中央研究所」として神奈川県藤沢市にあった時代から電子分野を中心に約25年間研究開発に従事していました。2020年4月から台湾現地法人の総経理となったことが、やはり一番大きい転機だったと思います。
現地法人の責任者となってからは研究所時代と異なり、経営の視点を身につける必要がありました。また、海外から日本を見ることで課題や見習うべき点がより明確になったのは大きな収穫でした。
Q
ご自身のキャリアを通して、心がけている言葉などはありますか。
A
心がけている言葉は、ドラッカーの「一人の力で成功することは絶対にない。一人の力が他人の協力を得たとき、初めて事業は成功する。」であり、実感もしています。今まで組織での目標達成は、まわりの方々にフォローされてこそできたことが多かったと思います。一人で抱え込まず、同僚の力を借りることも大事です。
Q
女性の登用など、働く上での多様性についてご意見を聞かせてください。
A
例えば、女性の活躍は近年よく話題にあがりますが、男性と女性ではどうしても異なる部分があります。「差別」はあってはいけないことですが、「区別」は必要だと思います。男性が得意な仕事もあれば、女性が秀でている分野もまた存在します。また、当社海外拠点では、さまざまな人種の方々が活躍しています。働き方は業種によっても異なりますがJCUらしい方法を模索しながら男性、女性ともお互いが活躍できる環境を推進していきたいと考えています。
取材日:2022年7月27日
