テクニカルレポート

JEOLUMIS® MSE & MP-NI 503L 中国実績紹介

その他

JCU(上海)貿易有限公司 森 義典 Yoshinori MORI

はじめに

 近年の中国自動車市場の動向は、自国内での需要増加に加え、欧州および中国自動車メーカーによる輸出も好調に推移していることから生産台数は増加傾向にあり、市場成長率は二桁以上の伸びとなっています。このような背景の中、特に中国政府が後押ししていることもあり、ガソリン車から新エネルギー車への移行が加速、中国自動車メーカーが著しい成長を遂げる一方で日系の各自動車メーカーにおいては厳しい状況に立たされています。また、デザイン面ではトレンドの変化に伴い、めっき部品から塗装部品への切り替わりが進んでおり、特に自動車のフロント部分は大きく様変わりしました。メーカーにおいては、塗装部品搭載車との差別化や付加価値付与のため、高級車にめっき部品を採用する動きなどが出始めているものの、化学薬品に対する環境規制が強化されるなど、当社を取り巻く事業環境は依然として厳しい状況が続いております。

 当社はそのような事業環境の下、めっきを扱う自動車部品メーカー様のニーズに応えるため、環境負荷低減製品を開発、拡販を進めてまいりました。この度、中国国内の一部自動車部品メーカー様から、6価クロムフリーエッチングプロセスおよび高耐食性マイクロポーラスクロムめっき用ニッケルストライクプロセスを採用いただき、導入が完了しましたので報告いたします。

JEOLUMIS® MSE & MP-NI 503L中国実績紹介

 今回、欧州の環境規制にいち早く対応された自動車部品メーカー様に6価クロムフリーエッチングプロセスの試作ラインを導入させていただきました。当社は以前より、独自のエッチングプロセス「JEOLUMIS® MSE」を開発しており(83、86、107号紹介)、お客様の試作ラインにおけるテストを経て、2025年に量産ラインでの建浴を完了しました。現在、お客様の協力を得ながら、本格生産に向けたテスト稼働を継続しております。特に中国では、他国と比べて市場の展開スピードが速いため、昨今の環境問題に対する意識の高まり次第では、流れが大きく変わる可能性もあると思っています。

 また、環境面以外では中国自動車メーカーの一部で品質向上の一貫で耐食性を強化する動きも出始めています。高耐食性マイクロポーラスクロムめっき用ニッケルストライクプロセス「MP-NI 503L」(111号紹介)は、従来プロセスに比べて微孔数の均一性が向上し、耐食性向上はもちもんのこと、黒3価クロムめっき後の外観に対して、良好な効果を発揮しています。また、本プロセスはすべての添加剤が液体タイプとなり、従来の粉タイプよりも管理が容易といった特長を持つことから、現在数社で採用していただいております。昨今生産量が増加している3価クロムめっきの性能向上に加え、全体的な品質向上に対しても高評価をいただいております。

おわりに

 今後も、品質向上や環境負荷低減製品の拡販を通じて、中国市場への一層の導入を促進していただけるよう尽力してまいり
ます。ご検討の際は、ぜひともお声がけくださいますようお願い申し上げます。


MP-NI 503Lで処理をしためっき後のドアハンドル