テクニカルレポート

今なお発展し続けるベトナム

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JCU VIETNAM CORPORATION 山崎 宣広 Nobuhiro YAMAZAKI
 
ベトナムを一言でいうとどのようなイメージをお持ちでしょうか?多くの方は、特に年配の方は1975年まで続いた「ベトナム戦争」を思い浮かべるのではないでしょうか?そんな暗い過去がありながら、現在はその面影も無いくらいに発展しており、成長を続けています。また、ハロン湾を代表とする世界遺産も多数存在し、世界各国からの観光客も年々増加し、とても豊かな国になっています。これはベトナム人が優しく前向きな性格である事に由来していると思います。
 
当社を取り巻くベトナムの市場環境は、昨年はスマートフォン、電動バイク、更には自動車まで自国ブランドとして生産、販売するまでに至り、電子分野、二輪車・自動車分野共に盛り上がりを見せています。また、今年は世界最高峰のカーレース「Formula 1(F1)」もハノイ市内にて4月に開催される予定でしたが、COVID-19(新型コロナウイルス)の影響で、残念ながら延期となってしまいしました。
 
このCOVID-19に関して、ベトナムでは感染者累計が355人と他諸外国に比べて非常に少なく、また、死亡者は0人です(2020年6月末現在)。4月末からは飲食店等の娯楽を除くサービス業の再開も予定しています。これはベトナム政府が率先して感染者およびその接触者を徹底隔離した措置、拡散防止としてサービス業の停止措置、学校休校措置を実施した事で成し得たものです。この背景には、2002年に流行した「重症急性呼吸器症候群(SARS)」当時、世界で最も早くに感染者撲滅を成し遂げた実績があり、その教訓から、この度のCOVID-19でもその撲滅に向けて政府主導の徹底管理を実施した事が成果に繋がっています。
 
さて、当社ベトナム現地法人は2007年3月に設立し、今年で満13年を迎える事が出来ました。ベトナムの首都ハノイ市に事務所を構え、2014年にはハノイ市内から車で約1時間のハナム省ドンバンⅡ工業団地に約6,000㎡の生産工場を設立しました。また、ホーチミンにも営業事務所を構え、日本人駐在員3名と現地スタッフ18名でベトナム国内の日系企業のお客様を中心に二輪車・自動車部品、プリント配線板の製造工程で使用される薬品や装置、廃水処理設備、関連資材の販売および技術サポートを提供しております。今年は特に技術サポート力を向上させるべく、工場内にパイロットプラントを導入する予定で、お客様への評価用サンプル加工やトラブル時の再現試験の検証等をベトナム国内で対応出来るようにいたします。これによって日本に配送する時間の無駄が無くなり、また、検証時間の短縮およびスタッフへの教育も含めたスキルアップにも繋がり、お客様へ日本と同じレベルの現地製造製品と技術サポートを提供出来ればと考えております。
 
今のベトナム経済はGDP成長率が7%前後とここ数年高い水準で安定しており、日本をはじめ多くの諸外国のメーカーが工場進出を進めています。今後益々発展、成長し、東南アジアの中心的存在になる事を期待するとともに、当社も現地からのサービスを充実させて、お客様にご満足いただけるよう、より一層努めてまいります。

ベトナム工場の外観
ベトナム工場の内観