経営者メッセージ

信頼と技術を礎に、
未来を見据えた挑戦を通じて、
未来のものづくりと持続的な
成長を実現していきます。

代表取締役会長兼CEO 木村昌志
代表取締役
会長兼CEO木村昌志

中期経営計画 「JCU VISON 2035 ―1st stage―」の成果と、長期ビジョン実現に向けたあゆみ

「JCU VISON 2035 ―1st stage―」初年度は、売上高・営業利益・親会社株主に帰属する当期純利益のすべてにおいて過去最高を更新しました。この成果は、従業員の努力と、協力会社やお客様のご支援の賜物だと感じています。2025年2月には業績予想の上方修正を決断し、当社の事業の安定性と成長性を、投資家の皆様にも前向きにお伝えできました。

もちろん、この成果に満足せず、残された課題にも真摯に向き合い、成長基盤をさらに強化していきます。不確実性が続く中でも、中期経営計画を着実に遂行し、持続的な増収増益を積み重ねていきたいと考えています。飛躍的な数値ではなく、最終年度に「やりきった」と胸を張れるような成果を実現したいと思います。

中期経営計画は、会社の進むべき道筋を明確にし、従業員全員が同じ方向を向いて具体的な行動へとつなげていくための指針です。

私はタイ駐在から帰任後、経営戦略室長として、当社で初めてとなる中期経営計画の策定をリードしました。その後も複数の中期経営計画の策定に携わり、スタッフとともに社内外の対話を重ねながら、現在の長期ビジョン「JCU VISION 2035」へとつなげてきました。こうした積み重ねを通じて、会社としての将来像がより明確になり、JCUグループ一体で目指すべき方向性を描くことができたと感じています。タイでの現場経験や経営戦略室での企画業務も、私自身の経営判断の基盤となりました。特に、電子分野の成長という明確な使命感を持って取り組んできたことは、現在の戦略の方向性にもつながっています。

JCU VISION 2035が目指す当社業績推移

JCU VISION 2035が目指す当社業績推移

電子分野を成長の柱に、研究力と技術基盤を磨く挑戦

JCUグループが成長の柱と位置付けているのが電子分野です。特に、半導体パッケージ基板や半導体アドバンスドパッケージ向けの新技術開発に注力しています。AIの進化により、チップレット化が進む中、当社のめっきやエッチング技術は、より重要な役割を担うと考えています。

これらの技術を支えているのが、総合研究所です。ヒト・モノ・カネ・情報などの経営資源に集中的な投資を行い、解析機器の強化や人材の採用・育成を進めています。約100名の研究員が、実験室にとどまらず市場を見据えた製品開発に取り組んでいます。

研究力強化に向けては、東北大学・福岡大学・台湾ITRI(工業技術研究院)との共同研究や、東京大学主導の「d.lab(システムデザイン研究センター)」への参画など、大学・研究機関との連携も推進しています。研究員の提案に基づく高性能解析装置の導入など、現場発の取り組みも強化しています。また、AIやマテリアルズ・インフォマティクス(MI)の活用により、基礎研究から原材料、製品開発に至るまで研究開発のスピードと精度を向上させ、科学的な裏付けに基づくアプローチで、持続的な競争力の確保につなげています。

装飾・機能分野では、6価クロムフリーや有機フッ素化合物(PFAS)フリーの製品開発、CO₂排出量の削減に資するプロセスの拡充など、環境規制への対応にも継続的に取り組んでいます。

研究開発に携わる研究員には、目の前の成果にとどまらず、次代の技術ニーズを見据えた着想と行動を求めています。変化の激しい市場環境の中で、柔軟な発想と科学的な視点を持って新たな価値を生み出す力が、JCUグループの技術基盤をより強固にしていくと考えています。

グローバルな供給体制と現地密着型対応で競争力を強化

国内では、生産体制の分散と次世代対応を視野に、戦略的な投資を進めています。熊本事業所では、省人化や無排水化など環境に配慮した最新設備の導入を計画し、約114億円(工場用地取得費用を除く)を投じて2026年度の試生産開始を予定しています。電子分野の成長と環境対応の両面で、重要な役割を担う拠点です。

一方、グローバル拠点の強化も加速しています。特に東南アジアでは、チャイナプラスワンの需要を見据え、タイ・マレーシア・ベトナム・インドネシアに拠点を展開しています。インドを含む地域ネットワークにより、「東西回廊」と呼べる供給体制を整えています。タイでは現地ニーズに対応すべく、約33億円(工場用地取得費用を含む)を投じて新工場を建設中で、2027年度の竣工を予定しています。

こうした展開を支えているのが、現地に根ざした顧客対応力です。中国・台湾・東南アジアの現地法人と緊密に連携することで、各市場のニーズを的確に把握し、中華系ネットワークの活用も含め、ローカルな対応力を軸に、グローバル市場での競争力を高めています。

木村会長

この対応力の土台となっているのが、「現場の声」に基づく経営です。国内外を問わず、お客様の声を真摯に受け止め、迅速に行動に移すことを重視しています。特に海外展開では、現場の声をスピーディーに経営判断へと反映することがグローバルでの信頼構築の要と捉えています。

JCUグループは単なる製品供給者ではなく、「お医者さん」のようにお客様に寄り添い、課題に応じて迅速に対応する存在を目指します。こうした姿勢のもと、納入後も継続的・長期的なフォローを重ねながら、お客様の価値創出をしっかりと支えていきたいと考えています。

「縁の下の力持ち」として挑戦を重ね、確かな技術で未来を支える

JCUグループはこれまで、目に見えにくい領域で世界のものづくりを支えてきました。当社の技術がなければ成り立たない製品も数多く存在しており、「縁の下の力持ち」としての誇りは、企業活動の原動力であり、私たちの存在意義そのものです。

この価値を将来にわたり提供していくには、変化を先取りし、挑戦を続ける姿勢が欠かせません。私は社員に「一歩先ではなく、二歩先を見据えて考えよう」と伝えています。柔軟な発想と戦略的視点で未来を見通す力が、変化の時代を切り拓く鍵になると考えています。一人ひとりの挑戦の積み重ねが、JCUグループの競争力と持続的成長の原動力になると信じています。

今後もJCUグループは、すべてのステークホルダーの皆様とともに、持続可能な成長を目指していきます。目立たない分野においても、確かな技術と現場力を強みに、世界の産業基盤を支える企業として着実に歩みを進めていきます。