実を結び始める「乙巳」の年、 会社も社員も成長へ

皆さま、明けましておめでとうございます。2025年を迎えました。新年は巳年。脱皮をする蛇のイメージから「復活と再生」を意味し、新しいことが始まる年になると言われています。また、干支の「乙巳(きのと・み)」をみると、乙は発展途上の状態を表し、巳は植物が最大限まで成長した状態を意味することから、これまでの努力や準備が実を結び始める時期を示唆しているそうです。各国、各地域間での紛争・対立が収束し、日本経済ひいては世界経済が良い方向に向かうことを願っています。
当社にとって本年は、約118億円を投資(工場用地取得費用を含む)する熊本事業所の研究棟、工場棟、倉庫棟の工事が進み、12月に竣工を予定する年となります。同所はスマートファクトリー、カーボンニュートラル等を見据えた最新鋭の事業所となり、50人規模の新規雇用を見込んでいます。竣工後は、26年4月に試生産を開始、7月以降にはお客さまへのサンプル出荷を順次進めていく計画です。半導体業界を代表する多くの企業が進出し、日本のシリコンバレーを目指す熊本県において情報収集に努め、1歩も2歩も先を行く最先端技術の開発を加速します。
これに先立ち24年4月には長期ビジョン「JCU VISION 2035」をスタートさせました。「2035年に目指す姿」を「独自の強みを最大限に活かし、環境や社会に貢献することで、社会とともに成長し続けるグローバル企業」と定め、日々変化し続ける外部環境に対応しつつ、常に技術・サービス体制を強化していくことで、社会価値と経済価値の追求による企業価値向上を図ります。具体的には35年3月期には売上高500億円、営業利益175億円、純利益120億円と、今後10年間でほぼ2倍の成長を目指しています。初年度となる25年3月期は売上高270億円、営業利益85億円、純利益59億円と増収増益を見込み、年間配当は4円増配の74円と15期連続の増配を予定しています。
海外においては、タイの現地法人に工場用地取得費用を含め約33億円を投資し、27年度竣工予定で新工場を建設します。既存の工場と同じ工業団地内で25年秋に着工し、最新鋭の工場を設立するとともに、サポート体制の更なる強化を図ります。当社は海外での売り上げが7割を超え、その内中国、台湾、韓国が上位を占めています。近年では、集中リスク分散の観点から東南アジアを重視し、タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシアに拠点を設けており、インド現地法人を含めた東南アジアの「東西回廊」形成による体制強化を図ってきました。その中でもタイは、チャイナプラスワンの流れの中で進出企業が増えており、今後もビジネスチャンスが拡大していくと考えています。
一方、サステナブル(持続可能)な社会づくりへの貢献では、当社が掲げている30年度までに国内拠点の二酸化炭素(CO₂)排出量を13年度対比で46%削減するという目標を生産本部で利用するすべてのガスを24年11月からカーボンニュートラルガスに切り替えることで25年度にいったん達成します。また、熊本事業所でもCO₂排出量の実質ゼロを見据えており、30年度目標の達成と、50年度のCO₂総排出量実質ゼロ目標に向けて環境負荷を低減した事業運営を行うことで、持続可能な社会づくりに貢献していきます。
JCUグループは、これまで「変化への対応」を課題として挙げてきました。24年は成果を積み重ね、力を合わせた結果、業績は好転し、「変化をチャンスに変える年」となりました。2025年は社員一人ひとりの挑戦を尊重し、グループ全体の発展につなげることを目標としています。個々の強さをグループ全体の強さに変えていくことでJCUグループの成長につなげていけるよう、役員、従業員一丸となって邁進していきます。
代表取締役会長兼CEO
木村 昌志