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低電流対応ノーシアン銀めっき SKYSILVER JL-10

総合研究所 開発統括部 電子技術開発部 馬 恒怡 Hengyi MA 沼口 智子 Satoko NUMAGUCHI 佐藤 麻里 Mari SATO 内田 千紘 Chihiro UCHIDA

            新規技術開発部 櫻井 翔 Sho SAKURAI

はじめに

 近年、パワーデバイス向けなどで耐熱・耐酸化性に優れる銀めっきの需要が高まってきている。また、従来のシアン銀めっきに対して、環境への関心の高まりからシアンなどの毒物を含まないめっき液の需要が高まっていることから、ノーシアン銀めっきの開発を行った。ノーシアン銀めっき浴では浴安定性に優れ、連続電解を行っても皮膜性能の低下が見られない。300Ah/L後の皮膜での耐食性試験でも良好な結果が得られる、低電流向けノーシアン銀めっきについて報告をする。

 近年、パワーデバイス向けなどで耐熱・耐酸化性に優れる銀めっきの需要が高まってきている。また、従来のシアン銀めっきに対して、環境への関心の高まりからシアンなどの毒物を含まないめっき液の需要が高まっていることから、ノーシアン銀めっきの開発を行った。ノーシアン銀めっき浴では浴安定性に優れ、連続電解を行っても皮膜性能の低下が見られない。300Ah/L後の皮膜での耐食性試験でも良好な結果が得られる、低電流向けノーシアン銀めっきについて報告をする。

特長

1) シアンや毒性金属を含まず、環境への負荷を低減。

2) めっき液の臭気を抑え、作業環境の負荷を低減。

3) シアン銀めっきと同等以上の優れた皮膜特性。

4) 99.9%以上の高純度の銀皮膜を形成可能。

5) 連続電解:300Ah/L以上で皮膜特性を維持。

6) 添加剤の管理が容易

1) シアンや毒性金属を含まず、環境への負荷を低減。

2) めっき液の臭気を抑え、作業環境の負荷を低減。

3) シアン銀めっきと同等以上の優れた皮膜特性。

4) 99.9%以上の高純度の銀皮膜を形成可能。

5) 連続電解:300Ah/L以上で皮膜特性を維持。

6) 添加剤の管理が容易

作業条件

 表1に各種めっき液の標準条件、表2サンプルの加工標準条件を示す。なお本プロセスでは電子部品、ウエハーに対し、ラックやバレルといった手法が使用可能である。

 

表1 各種めっき液の標準条件

 

表2 サンプル加工標準条件

 表1に各種めっき液の標準条件、表2サンプルの加工標準条件を示す。なお本プロセスでは電子部品、ウエハーに対し、ラックやバレルといった手法が使用可能である。

 

表1 各種めっき液の標準条件

 

表2 サンプル加工標準条件

シアン銀めっきとノーシアン銀めっきの比較

 表3に基本性能の比較結果を示す。ノーシアン銀めっき浴のめっき外観は白色半光沢で、均膜性に優れており、シアン銀めっき浴とほぼ同等の基本性能を有する。また浴安定性も良く、現在300Ah/Lまで連続稼働をしているが、皮膜性能の劣化などは見られていない。

 

表3 基本性能の比較結果

 

 図1に耐食性試験(塩水噴霧試験:SST)結果を示す。耐食性試験ではシアン銀めっき浴にて腐食(赤線囲み部)が確認されたのに対して、ノーシアン銀めっき浴の方が試験後の腐食がなく、優れた腐食耐性を示した。

 

図1 耐食性試験結果(24時間後)

 

 本ノーシアン銀めっき浴は各種成分を分析することにより、安定した浴管理が可能である。まためっき液の使用温度は50℃であるが、臭気はほぼ無く作業環境も改善できる。

 表3に基本性能の比較結果を示す。ノーシアン銀めっき浴のめっき外観は白色半光沢で、均膜性に優れており、シアン銀めっき浴とほぼ同等の基本性能を有する。また浴安定性も良く、現在300Ah/Lまで連続稼働をしているが、皮膜性能の劣化などは見られていない。

 

表3 基本性能の比較結果

 

 図1に耐食性試験(塩水噴霧試験:SST)結果を示す。耐食性試験ではシアン銀めっき浴にて腐食(赤線囲み部)が確認されたのに対して、ノーシアン銀めっき浴の方が試験後の腐食がなく、優れた腐食耐性を示した。

 

図1 耐食性試験結果(24時間後)

 

 本ノーシアン銀めっき浴は各種成分を分析することにより、安定した浴管理が可能である。まためっき液の使用温度は50℃であるが、臭気はほぼ無く作業環境も改善できる。

おわりに

 今回開発したノーシアン銀めっきは環境への負荷を低減し、作業安全性を高めている。且つ従来のシアン銀めっき浴と同等以上の皮膜性能が得られている。加えて、従来のシアン銀めっき浴に比べて変色防止処理を施さなくても、変色しづらい傾向が見られている。SST試験後でも皮膜は白色半光沢のままであり、さらに数ヶ月実験室に放置したサンプルにおいても外観に変化は見られていない。現在メカニズムを含め耐変色性の効果を確認しており、この点が大きな特長になる可能性があると考えている。

またスパージャーに対応できる高電流密度向けプロセスも開発中で、今後もノーシアン銀めっきの幅広い市場展開に注力して行きたい。

 今回開発したノーシアン銀めっきは環境への負荷を低減し、作業安全性を高めている。且つ従来のシアン銀めっき浴と同等以上の皮膜性能が得られている。加えて、従来のシアン銀めっき浴に比べて変色防止処理を施さなくても、変色しづらい傾向が見られている。SST試験後でも皮膜は白色半光沢のままであり、さらに数ヶ月実験室に放置したサンプルにおいても外観に変化は見られていない。現在メカニズムを含め耐変色性の効果を確認しており、この点が大きな特長になる可能性があると考えている。

またスパージャーに対応できる高電流密度向けプロセスも開発中で、今後もノーシアン銀めっきの幅広い市場展開に注力して行きたい。

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JCUテクニカルレポート 107号 2020年1月