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APCS展示会のお知らせ

JCUについて

このたび当社は、2024年12月11日から13日にかけて、SEMICON Japan2024/APCSに出展することとなりました。
今回は、当社が展示を予定している「TIPHARES(ティファレス)」シリーズについてご紹介させていただきます。

「TIPHARES」シリーズは2023年11月、当社が発表した次世代半導体向け表面処理薬品の新ブランドです。既に拡販中である、再配線層向け銅めっきプロセス「TIPHARES RDP」とチタン/銅スパッタシード層一括エッチングプロセス「TIPHARES TCE」に加え、今回は新しく開発中の「TGVフィリングめっきプロセス」と銅ピラー用高速硫酸銅めっきプロセス「TIPHARES BUP」についてご紹介いたします。
 

① TGVフィリングめっきプロセス【開発中】

TGV(ガラス貫通電極)は「Through Glass Via」の略で、ガラス基板の垂直方向に形成された貫通孔に銅が充填することで、半導体チップ※1と外部の部品を電気的に接続するために使用されます。近年、半導体パッケージの高機能化に伴い、複数の半導体チップを1つのパッケージに搭載するためにパッケージサイズの大型化技術の開発が進んでいます。その流れの中で、基板の材料を従来の有機樹脂の他に、絶縁性や耐熱性に優れるガラスを使用する動きが進んでいます。TGVを使用したガラス基板は次世代半導体に向けたICサブストレート※2やインターポーザー※3の大型化への対応が期待できるため、注目される技術です。
 
当社のTGVフィリングめっきプロセスの特長として、①TGVへの良好なフィリング性②耐ボイド性の2点が挙げられます。フィリングとは、基板に開けられた穴を銅で充填し、電気を流せるようにすることです。また、耐ボイド性とは、フィリング中に発生する「ボイド(void)」と呼ばれる空洞や欠陥を抑制する特性です。ボイドの存在は接続信頼性の低下につながるため、ボイドなくフィリングを達成する必要があります。ガラス基板は有機基板と比較し板厚が厚いため、TGVをボイドなく銅でフィリングすることは難しく、めっき加工の際にボイドが生じやすくなる傾向があります。この課題に対し、当社のTGVフィリングめっきプロセスは良好なフィリング性と耐ボイド性を両立し、TGVの技術的要求を満たしたプロセスとなっています。

② 銅ピラー用高速硫酸銅めっきプロセス「TIPHARES BUP」【開発中】

「TIPHARES BUP」は銅ピラー用の硫酸銅めっきプロセス※4です。銅ピラーとは、半導体のチップと基板を電気的に接続する銅製の小さな柱状の構造体です。近年、小さなデバイスの中に高機能なチップを高密度に搭載するため、半導体チップの垂直方向への多層化が進んでいます。このような構造において、高密度な配線形成が可能なことや電気抵抗の低さから、多層化への対応として現在厚膜の銅ピラーが多く利用されるようになってきました。厚膜銅ピラーを形成するには、めっき時間の短縮やめっき膜厚の均一性、平坦なトップ形状が重要な要件となります。
 
「TIPHARES BUP」の特長は、①高電流密度での使用が可能②銅ピラー高さに対する良好な面内均一性、平坦なトップ形状③純度が高く抵抗値の低い優れた物性の3点です。
「TIPHARES BUP」は10~50A/dmまでの幅広い電流密度でめっきすることができます(撹拌・温度条件あり)。一般的な硫酸銅めっきでは、高い電流密度でめっきを行うとめっき被膜の析出異常やめっき膜厚の不均一性が発生しやすくなります。しかしながら本プロセスでは、高い電流密度においてもめっき膜厚の均一性および銅ピラーの平坦なトップ形状を保持しつつめっきすることが可能です。これにより厚膜銅ピラーを形成するのにかかるめっき時間を短縮することができます。また、幅広い電流密度に対応できることから、径が非常に小さい高アスペクト比の銅ピラーの形成においてもめっき時間の短縮が期待できます。以上のことから、「TIPHARES BUP」は、厚膜銅ピラーの形成に適したプロセスとなっています。

※1 半導体チップ… メモリやロジックIC(集積回路)などを組み合わせてパッケージングされた半導体集積回路の総称
※2 ICサブストレート…半導体チップを保護し、プリント基板に実装する際に外部と電気的に接続する端子の役割をする微細な基板
※3 インターポーザー…複数の半導体チップ同士や、半導体チップと外部を電気的に接続する中間層の基板又は部品
※4 硫酸銅めっき…電気を用いて、金属等の素材の表面に銅の被膜を形成するめっき

「TIPHARES」シリーズはAIや自動運転等の技術進歩によって、益々需要の高まる次世代半導体の高速処理や省電力化に対応し、新たな技術的課題を解決する表面処理薬品となっております。上記でご紹介した他にも、複数の製品ラインナップの展示を行っておりますので、この機会にぜひご来場ください。 

SEMICON Japan2024/APCS

会期

2024年12月11日(水)~12月13日(金) 10:00~17:00

会場

東京ビッグサイト東3ホール

ブース番号

APCS:3654

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※来場登録後、メールにて入場方法のご案内が届きます。

SEMICON Japan2023/APCSの様子

本件の問い合わせ先

株式会社 JCU 経営戦略室 経営企画部
TEL:03-6895-7004  E-mail:kikaku@jcu-i.com