Library JCUライブラリ
JCUライブラリとは? ~基礎から学ぶ「めっき」とJCU~
めっきについて
私たちが便利で快適な生活を送る上で欠かせない技術として、近年注目を集めるめっき。
今や「めっき」は6Gの実現や、自動運転、IoT、生成AIなど、デジタル社会の実現や技術革新に必要不可欠な存在と言っても過言ではありません。みなさんは「めっき」が私たちの快適な生活に直結する技術であるとご存知でしたか。おそらく「めっき」と聞くと、ジュエリーやアクセサリー、車のエンブレム、蛇口など「ピカピカと金色や銀色に表面が輝いている何か」を想像された方が多いのではないでしょうか。
めっきとは、表面処理技術の一つを指します。
めっきを施すと、ピカピカと綺麗な光沢を放つようになるため「見た目をよくするための装飾技術」だと思われる方も多いと思います。しかし、実はめっきは装飾目的以外にも、次のような目的で私たちの身近なものに活用されている、私たちにとって身近で必要不可欠な技術なのです。
素材の表面を美しく見せる(装飾性)
例えば、めっきを施すことで、アクセサリーやジュエリーなど、ピカピカと光沢を出して見た目をよくすることができます。宝飾品以外では、置物や時計、自動車・バイクの外装部品、什器などにもめっきが施されています。
めっきは、金属はもちろんプラスチックのような金属以外の素材にも施すことができるため、いろいろな部品や製品の表面に、美しい高級感を持たせることができます。
素材の表面を守る(耐久性)
「素材の表面を守る」という目的でめっきが施されている例として、自動車の外装部品や食器などが挙げられます。
例えば、自動車の外装部品にめっきをする理由はもちろんデザイン性を高めるためでもありますが、雨風に晒されてもサビがでにくく、傷もつきにくい性能(防錆・硬度)を与えるためでもあります。また、食器のように何度も洗って使うものは、銅や銀、コバルトなど抗菌性を持つ薄い膜をめっきで重ねることで、細菌の繁殖や腐食を防ぐことができます。
素材の表面にさまざまな機能を持たせる(機能性)
めっきは、「素材の表面にさまざまな機能を持たせる」ことができるため、いろいろな用途に使用されています。
特に近年は、様々な電気的な特性や機械的な特性を与える性質から、私たちが日々使っているスマートフォンやPCなどの電子機器などをはじめ、さまざまな電機・電子製品の内部に活用されています。
たとえば、スマートフォンやPCからデータを転送したり、充電したりするために使われるコネクターの接続部には何重にもめっきが施されています。これは、単なる銅板にめっきを何重にも施し、薄い膜を重ね合わせることで、導電性や耐食性、耐摩耗性など、性能の向上や本来はなかった機能を持たせているのです。
何千回、何万回と抜き差しされる上に、汗やホコリ、汚れ、水濡れなどのある過酷な状況下で正常に大容量のデータ転送やスピード充電が行えるのは、コネクターの内部にめっきが施されているからこそと言えます。また、スマートフォンやPCの内部の半導体はめっきによって様々な特性が追加されているため、高速通信や省電力化が実現できています。4G、5Gと進化する通信環境に対応しながら、私たちが便利で快適に高速通信ができているのも、めっきのおかげと言っても過言ではありません。
近年では、半導体のさらなる進化に向けて新しいめっきの技術も開発されてきており、今後さらなる高速化や省電力化が実現するといわれています。高速化や省電力化の他にも、6Gの実現や、IoT技術の発展、自動運転、AI技術などもめっき処理が鍵となります。このように、めっきは今やデジタル社会の発展に必要不可欠な技術として注目されているのです。
きっとまだまだ私たちが知らないだけで、将来的にはさまざまなめっきの技術が登場するでしょう。みなさんの会社で抱えている問題や課題の解決も、めっきの技術の応用で解決ができるかもしれません。そんな奥深さと無限の可能性を秘めているのがめっきなのです。
JCUライブラリは、そんなめっきの可能性を追求し続けてきたJCUのさまざまな知見を、みなさんに分かりやすく発信していくメディアです。めっきの基礎知識はもちろんのこと、最新動向や、課題解決の可能性、JCUの製品やサービス、展示会など、JCUに関する情報を発信していきます。「めっきについて知りたい」という方から、「めっきの最先端技術や動向を知りたい」という方、「JCUの技術やサービスについて詳しく知りたい」という方は、ぜひJCUライブラリをご活用ください。
このJCUライブラリを通じて、めっきという技術が、みなさまの抱える問題や課題の解決の一助になれることを願っています。