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JCUテクニカルレポート バックナンバー一覧

エッチングピット抑制ハーフエッチングプロセス ハイパーエッチ HE3-530

総合研究所
エレクトロニクス技術開発1部
山崎 宣広 Nobuhiro YAMAZAKI / 畑中 亮英 Ryoei HATANAKA / 沈 暁鷹 Xiaoying SHEN / 安藤 裕久 Hirohisa ANDO / 文蔵 隆志 Takashi FUMIKURA

 

はじめに

 近年、電子機器の高性能化が急速に進み回路基板のさらなる微細化、多層薄化が必要とされており、エニーレイヤー工法に代表されるBVH(Blind Via Hole)の全層フィリングめっきの需要が高まっている。多層回路基板の形成工程において、ビアフィリングめっき後に銅の膜厚調整として次工程でハーフエッチ処理が行われているが、フィリングされた箇所における部分過剰腐食“ピット”の発生が問題となっている。図1にフィリング箇所におけるピットの発生状況を示す。
ピットは外観不良だけでなく、回路断線や層間接続不良、更には最外層の貴金属めっき析出不良の原因にもなり得る。

エッチングピットの発生状況と対策

ピットが発生しやすい最も多い状況として、フィリングめっき直後のエッチング処理が挙げられる。フィリングめっきが施された直後の状態は銅の結晶粒界が安定しておらず、粒界腐食を助長しやすい一般的なエッチング液を用いた場合、その不安定な箇所において腐食が進行しやすく、ピットの発生要因になり得る。特にビア周辺箇所はフィリングめっきの特性上、ピットが発生しやすいと考えられる。
現状の対策としては、めっき後にホールドタイムを一定時間設けるか、熱処理を加えることで、ピットの発生低減を試みている。しかしながら、熱処理のみではピット抑制には限界があることやコストが嵩む要因となるため、他の手段での改善が求められている。当社ではピットの発生を抑えるエッチング液の検討を行っている。

ピットが発生しやすい最も多い状況として、フィリングめっき直後のエッチング処理が挙げられる。フィリングめっきが施された直後の状態は銅の結晶粒界が安定しておらず、粒界腐食を助長しやすい一般的なエッチング液を用いた場合、その不安定な箇所において腐食が進行しやすく、ピットの発生要因になり得る。特にビア周辺箇所はフィリングめっきの特性上、ピットが発生しやすいと考えられる。
現状の対策としては、めっき後にホールドタイムを一定時間設けるか、熱処理を加えることで、ピットの発生低減を試みている。しかしながら、熱処理のみではピット抑制には限界があることやコストが嵩む要因となるため、他の手段での改善が求められている。当社ではピットの発生を抑えるエッチング液の検討を行っている。

ピットレスハーフエッチング HE3-530

ピットレスハーフエッチングHE3-530は過酸化水素/硫酸系のエッチング液であり、エッチング時のピットを抑制すると共に、ハーフエッチングに適したエッチング速度と処理後の平滑性を併せ持つ。
図2にフィリングめっきが施された基板に対し一般的なエッチング処理を施した写真、図3にHE3-530を用いてエッチング処理を施した写真を示す。またその時のピット発生率を図4に示す。
一般的なハーフエッチング液を用いてエッチングを施した場合、ビア箇所において処理後に無数のピットが発生している。またエッチング前に熱処理を加えることで、ピット発生数の低減に効果が見られるが、完全な抑制には至っていない。一方、本検討エッチング液であるHE3-530による処理ではピットの発生が抑制されていることが分かる。
また、エッチング速度においては、ハーフエッチングとしての用途を想定しており、概ね3~7μm/min程度のエッチング速度で運用することが可能である。

ピットレスハーフエッチングHE3-530は過酸化水素/硫酸系のエッチング液であり、エッチング時のピットを抑制すると共に、ハーフエッチングに適したエッチング速度と処理後の平滑性を併せ持つ。
図2にフィリングめっきが施された基板に対し一般的なエッチング処理を施した写真、図3にHE3-530を用いてエッチング処理を施した写真を示す。またその時のピット発生率を図4に示す。
一般的なハーフエッチング液を用いてエッチングを施した場合、ビア箇所において処理後に無数のピットが発生している。またエッチング前に熱処理を加えることで、ピット発生数の低減に効果が見られるが、完全な抑制には至っていない。一方、本検討エッチング液であるHE3-530による処理ではピットの発生が抑制されていることが分かる。
また、エッチング速度においては、ハーフエッチングとしての用途を想定しており、概ね3~7μm/min程度のエッチング速度で運用することが可能である。

おわりに

冒頭の通り、フィリングめっきの需要は高まっており、本件のようなピットの問題も多く見られるようになってきている。当社はフィリングめっき添加剤を主力製品として取り扱っており、後工程のピット対策を求められるケースも今後増えると予想される。その際に本稿で紹介したHE3-530は有効な対策になると期待している。

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JCUテクニカルレポート 99号 2016年1月