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サテンニッケルめっき クールサテン

総合研究所
基幹技術開発部
衣幡 和男  Kazuo IBATA / 曽我部 香織  Kaori SOGABE / 畑中 竜彦  Tatsuhiko HATANAKA / 福島 敏明  Toshiaki FUKUSHIMA

はじめに

近年、自動車用めっき部品の意匠性への要望が多様化している。クロムめっきにおいては、黒色3価クロムによる黒色化に始まり更に異なる色調への要求がある。サテン色調においても従来の深い梨地外観とは別に欧州から端を発した光沢調のサテン外観仕様への要求が急速に高まっている。これらの色調はコンポジット法による当社従来品のサテンニッケルプロセスから得られるサテン外観の色調と異なるため、新たにエマルション法によるサテンニッケルプロセスを開発した。
本報では、光沢調の明るいサテンからやや光沢を落としたアルミ調サテンまでの色調が得られる白色色調のサテンニッケルプロセス『クールサテン』について紹介する。

性能

1.安定したエマルションの形成により均一なサテン外観が得られる。
2.添加剤の添加量により、明るいサテン色調からやや濃いサテン色調まで選択できる。
3.添加剤の連続補給により、長時間ほぼ同等のサテン色調が得られる。
4.エマルションを形成する成分は、極めて活性炭に吸着し易いため、液の浄化が容易である。

1.安定したエマルションの形成により均一なサテン外観が得られる。
2.添加剤の添加量により、明るいサテン色調からやや濃いサテン色調まで選択できる。
3.添加剤の連続補給により、長時間ほぼ同等のサテン色調が得られる。
4.エマルションを形成する成分は、極めて活性炭に吸着し易いため、液の浄化が容易である。

浴成分・添加剤の働き

(基本組成)
通常のワット浴組成であるが、エマルションの形成および安定化のため硫酸ニッケル濃度を高く設定。
(添加剤A)
一次光沢剤。ベースとなる光沢性を強化。電解消耗。
(添加剤B)
一次光沢剤。ベースとなる光沢性を付与。電解消耗。
(添加剤C)
液中でエマルションを形成しサテン外観を発現。経時による消耗。水にて20倍以上に希釈して添加。
(湿潤剤WT)
ピット防止効果。

(基本組成)
通常のワット浴組成であるが、エマルションの形成および安定化のため硫酸ニッケル濃度を高く設定。
(添加剤A)
一次光沢剤。ベースとなる光沢性を強化。電解消耗。
(添加剤B)
一次光沢剤。ベースとなる光沢性を付与。電解消耗。
(添加剤C)
液中でエマルションを形成しサテン外観を発現。経時による消耗。水にて20倍以上に希釈して添加。
(湿潤剤WT)
ピット防止効果。

クールサテン表面観察

標準建浴組成から得られるクールサテンニッケル皮膜の表面観察結果を図1に示す。また、添加剤無補給5時間経過後の表面観察結果を図2に示す。5時間経過後も表面形態に大きな変化はなく、安定した外観が得られる。

標準建浴組成から得られるクールサテンニッケル皮膜の表面観察結果を図1に示す。また、添加剤無補給5時間経過後の表面観察結果を図2に示す。5時間経過後も表面形態に大きな変化はなく、安定した外観が得られる。

クールサテン加工サンプル外観

図3に加工サンプルの写真を示す。

図3に加工サンプルの写真を示す。

おわりに

本報では、白色系光沢調サテンニッケルプロセス『クールサテン』について紹介した。また、現在、やや黄色味を帯びた温かみのある光沢調サテンニッケルプロセス『ウォームサテン(仮称)』の早期製品化に取り組んでいる。更に、深い梨地調のサテン、長時間の稼働に耐え得る長寿命タイプのサテンニッケルプロセスなども検討している。
今後もお客様が要求する外観の多様化や、安定生産に応えられるプロセスを紹介できるよう、開発を進めて行く所存である。

 
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JCUテクニカルレポート 96号 2014年8月