JCUテクニカルレポート バックナンバー一覧
カラーリング量産技術の紹介
はじめに
当社子会社の「JCU科技(深圳)有限公司」では自社開発したスパッタ装置にて受託によるカラーリング量産加工を実施している。特に国内大手メーカーの腕時計部品にこのカラーリング部品が使用され、同メーカーのフラッグシップモデルとしてテレビCMや雑誌広告等で色を前面に表現され宣伝されており、本カラーリング技術が製品に大きな付加価値を付与することが実証されたものと考えている。
JCUスパッタ技術の特長
カラーリングはスパッタにより形成した多層薄膜上において発生する光の干渉効果を利用した技術である。独自に開発した成膜プロセスにより様々な屈折率の異なる薄膜を成膜し可視光範囲の反射光(スペクトル)を自在に制御することが出来るため、どのような色調でも作り出すことが可能である。
このプロセスを量産で実現するために自社にて装置設計を行いよりシンプルなプロセスを開発してきた結果、既存技術の塗装やイオンプレーティングでは出すことの出来ない金属光沢感がありバリエーション豊かな色調を再現性良く安定的に作り出すことに成功した。
図1にJCUスパッタカラーリングサンプルの一例を示す。
カラーリングはスパッタにより形成した多層薄膜上において発生する光の干渉効果を利用した技術である。独自に開発した成膜プロセスにより様々な屈折率の異なる薄膜を成膜し可視光範囲の反射光(スペクトル)を自在に制御することが出来るため、どのような色調でも作り出すことが可能である。
このプロセスを量産で実現するために自社にて装置設計を行いよりシンプルなプロセスを開発してきた結果、既存技術の塗装やイオンプレーティングでは出すことの出来ない金属光沢感がありバリエーション豊かな色調を再現性良く安定的に作り出すことに成功した。
図1にJCUスパッタカラーリングサンプルの一例を示す。
カラーリング量産技術の紹介
(概略工程)
【受入検査】→【洗浄】→【スパッタ成膜】→【出荷前検査】
1. 洗浄
自動洗浄乾燥システムにより脱脂洗浄・純水洗浄・超音波洗浄後の表面乾燥までの一連処理を行う装置である(図2)。脱脂洗浄薬品、純水などの管理により精度良く安定した洗浄処理が可能である。
2. スパッタ装置
スパッタ装置は外部環境(湿度)の影響を受けやすく、良品質を保つためにはチャンバー内の雰囲気(吸着状態)を常に一定に保つことが重要である。このため空調により管理されたクリーンルーム内にスパッタ装置を設置し(図3)、スパッタ成膜前の暖気排気運転では大容量のヒーター加熱によりチャンバー内部に吸着している水分・ガスの排出を促進している。更に真空ポンプ類はオイルフリーのものを使用し、チャンバー内のオイル汚染を防止している。
3. 検査
基板受入時には目視により外観検査(傷・汚れ確認)を実施。スパッタ加工後の出荷前には目視による外観検査(傷・汚れ・抜け・色調確認)と抜き取りテープ検査(スパッタ膜の密着性確認)を実施している。
色調については限度見本の範囲内に収まるように生産管理をしており、必要に応じて分光光度計による数値管理(スペクトル形状管理)も実施している
(概略工程)
【受入検査】→【洗浄】→【スパッタ成膜】→【出荷前検査】
1. 洗浄
自動洗浄乾燥システムにより脱脂洗浄・純水洗浄・超音波洗浄後の表面乾燥までの一連処理を行う装置である(図2)。脱脂洗浄薬品、純水などの管理により精度良く安定した洗浄処理が可能である。
2. スパッタ装置
スパッタ装置は外部環境(湿度)の影響を受けやすく、良品質を保つためにはチャンバー内の雰囲気(吸着状態)を常に一定に保つことが重要である。このため空調により管理されたクリーンルーム内にスパッタ装置を設置し(図3)、スパッタ成膜前の暖気排気運転では大容量のヒーター加熱によりチャンバー内部に吸着している水分・ガスの排出を促進している。更に真空ポンプ類はオイルフリーのものを使用し、チャンバー内のオイル汚染を防止している。
3. 検査
基板受入時には目視により外観検査(傷・汚れ確認)を実施。スパッタ加工後の出荷前には目視による外観検査(傷・汚れ・抜け・色調確認)と抜き取りテープ検査(スパッタ膜の密着性確認)を実施している。
色調については限度見本の範囲内に収まるように生産管理をしており、必要に応じて分光光度計による数値管理(スペクトル形状管理)も実施している
おわりに
腕時計の分野では各社間での機能やデザイン性の差別化が重要テーマとなっており、本スパッタ技術はデザイン性の差別化に非常に有効であるとの評価を頂いている。今後は腕時計だけではなくその他装飾品の分野においてスパッタカラーリングが広まることを期待し、顧客への拡販ならびに色調バリエーションをもっと増やすなど技術開発に努めていく所存である。
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JCUテクニカルレポート 95号 2014年1月