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JCUテクニカルレポート バックナンバー一覧

プラズマケミカルインジケーター

総合研究所 
ドライ技術開発部
深沢 信司  Shinji FUKAZAWA / 山本 泰望  Taibou YAMAMOTO / 上山 浩幸  Hiroyuki UEYAMA

はじめに

プリント配線基板等の配線幅が微細化されるに従って、めっき前のデスミア、デスカム及びクリーニングにプラズマによる表面処理が採用されてきている。生産ラインにおいて所定のプラズマ処理が行われたかを確認することは最終製品の歩留りに大きな影響を与える。当社が販売提携し、株式会社サクラクレパスが開発したプラズマケミカルインジケーター(PlasmaChemical Indicator™, PCI)はプラズマに暴露すると色相変化を起こすもので、プラズマ照射量により色差が変化する。

PCIの検討

前述のようにプラズマ処理の目的はいろいろあるが、今回はプラズマ処理としては比較的弱いクリーニング用途の実験結果について報告する。プラズマ処理は、実際の処理チャンバー内にポリイミド樹脂等の定形クーポンを貼付して所定時間のプラズマ処理後にポリイミド樹脂の重量の変化から樹脂のエッチング量を測定して確認していたが、クリーニング用途では弱いプラズマを使うため樹脂のエッチング量が少なく、重量法での測定が難しい。そのため今回はよりエッチングされやすい樹脂(i線レジスト)のプラズマ処理前後の膜厚を実測することにより、プラズマ照射量とエッチング量及びPCIの色差の関係を調べた。
使用したプラズマ装置は、当社プラズマ装置TAIKAI「PST-400V」で、この装置は真空チャンバー内で、各種ガスでプラズマを発生させて電極間に挿入した基板の両面を同時に処理するものである。今回は各種条件でPCIとi線レジストチップを同時処理した。
膜厚測定用試料はシリコンウエハー上にi線レジストを1000nm塗布した10mm角のチップを使い、反射スペクトルを用いた膜厚解析器を用いて、プラズマ処理前後の膜厚を計測した。
PCIの色相変化は分光測色計を用いてL*a*b*表色系で測定し、未処理品の値を基準として色差⊿E*abを算出した。
PCIの色相は図1に示すようにパワー(右に行くほど強い)に対して段階的に変化してゆく。

前述のようにプラズマ処理の目的はいろいろあるが、今回はプラズマ処理としては比較的弱いクリーニング用途の実験結果について報告する。プラズマ処理は、実際の処理チャンバー内にポリイミド樹脂等の定形クーポンを貼付して所定時間のプラズマ処理後にポリイミド樹脂の重量の変化から樹脂のエッチング量を測定して確認していたが、クリーニング用途では弱いプラズマを使うため樹脂のエッチング量が少なく、重量法での測定が難しい。そのため今回はよりエッチングされやすい樹脂(i線レジスト)のプラズマ処理前後の膜厚を実測することにより、プラズマ照射量とエッチング量及びPCIの色差の関係を調べた。
使用したプラズマ装置は、当社プラズマ装置TAIKAI「PST-400V」で、この装置は真空チャンバー内で、各種ガスでプラズマを発生させて電極間に挿入した基板の両面を同時に処理するものである。今回は各種条件でPCIとi線レジストチップを同時処理した。
膜厚測定用試料はシリコンウエハー上にi線レジストを1000nm塗布した10mm角のチップを使い、反射スペクトルを用いた膜厚解析器を用いて、プラズマ処理前後の膜厚を計測した。
PCIの色相変化は分光測色計を用いてL*a*b*表色系で測定し、未処理品の値を基準として色差⊿E*abを算出した。
PCIの色相は図1に示すようにパワー(右に行くほど強い)に対して段階的に変化してゆく。

測定結果

出力を2000W、4000Wで処理したときのi線レジストのエッチング量とPCIの色差変化の結果を図2、3に示す。



以上の結果から色差が20以下ではエッチング量と色差に高い相関関係があることがわかる。PCIがクリーニング処理でも処理効果の可否を判断する有効な手段となり得ることがわかった。
また、Arガスを使用したプラズマ処理においても樹脂表面の親水化とPCIの色差変化との相関も確認できた。表面の接触角とPCIの色差変化の結果を図4に示す。

出力を2000W、4000Wで処理したときのi線レジストのエッチング量とPCIの色差変化の結果を図2、3に示す。



以上の結果から色差が20以下ではエッチング量と色差に高い相関関係があることがわかる。PCIがクリーニング処理でも処理効果の可否を判断する有効な手段となり得ることがわかった。
また、Arガスを使用したプラズマ処理においても樹脂表面の親水化とPCIの色差変化との相関も確認できた。表面の接触角とPCIの色差変化の結果を図4に示す。

おわりに

今回はクリーニング用途で、酸素ガスを主体に実験を行ったが、近年デバイスのワイヤボンディング前の処理にArプラズマを使用することも増えてきている。また、デスミア・デスカム用途への応用も検討中である。あらかじめエッチング量と色差の相関性のデータを取っておけば、樹脂クーポンの使用なしで、簡単にプラズマ処理の可否が判定可能となる。さらにUV処理での応用・利用も評価する予定である。

 
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JCUテクニカルレポート 95号 2014年1月