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低粗度セミアディティブ基板用デスミア・無電解銅めっきプロセス FEED

総合研究所
エレクトロニクス技術開発1部PWB3課
清水 悟  Satoru SHIMIZU / 岩切 彩  Aya IWAKIRI

はじめに

パッケージ基板向けのセミアディティブ法(SAP)での回路形成は、過マンガン酸で積層フィルム表面を凹凸に粗化することで樹脂と無電解銅めっき皮膜間の物理的な密着を得ている。しかし配線のL/S=10/10μm以下への微細化と樹脂表面の低粗度化に伴い、化学的密着力を持つ無電解銅めっきプロセスが必要とされている。本報では低粗度SAP用高密着デスミア・無電解銅めっきプロセスFEED※について紹介する。
※FEED=Flatness-Economy-Environment-Denseness
(平滑化、低コスト化、低環境負荷、高密度配線)

FEEDの特長

FEEDでは従来工程と変わらない工程で低粗度表面上に高密着な無電解銅めっきシード層の形成が可能となった。表2に示す各工程の性能により表面粗さRa50~200nmの低粗度の各種積層フィルムやプリプレグ材に対しピール強度0.6~1.1kN/mの高い密着性が得られる。


FEEDでは従来工程と変わらない工程で低粗度表面上に高密着な無電解銅めっきシード層の形成が可能となった。表2に示す各工程の性能により表面粗さRa50~200nmの低粗度の各種積層フィルムやプリプレグ材に対しピール強度0.6~1.1kN/mの高い密着性が得られる。


各工程の特長

●膨潤DS-160

過マンガン酸エッチングでの粗化形状は膨潤の種類や条件によって決まる。DS-160は従来品・他社品と比較して低粗度から高粗度まで密着性が高いことが特長である(図2)。また建浴濃度は従来品の50%で使用可能であり薬液使用量も大幅に削減される。



デスミア工程で粗化条件を弱めることは、ビア底部のスミア除去性も弱まることが懸念されるが、FEEDでは、φ50µmの小径ビアでもスミア除去性は良好である。(図4)


●コンディショナーPB-160M
コンディショナー工程はめっき密着性に大きな影響を与える。従来のコンディショナーはイオン結合による吸着であるため密着が弱いがFEEDでは樹脂基材の官能基と強力な化学結合を形成するため高い密着性が得られる。



●キャタライザーPB-333
FEEDのアルカリキャタライザーPB-333はPd触媒の吸着能力が高いことが特長であり、従来品や他社品と比較して低いPd濃度でも高い吸着量が得られる(図6)。そのため他社品と比較してPdの低濃度化が可能でありPd触媒の使用量削減が期待できる。


●無電解銅めっきPB-507F
PB-507Fはシアンフリータイプの薄付け無電解銅めっき浴である。一般的に樹脂が低粗度化すると無電解銅めっき皮膜にブリスター(フクレ)が生じやすくなるが、FEEDの無電解銅めっきPB-507FはRa50µm以下の平滑な樹脂上でも添加剤の効果によりブリスター発生が無い。
従来品からの改良点として浴安定性・初期析出性・ピール強度・ビア底部の付き回り性が向上している。また成分の濃縮化による低コスト化も図られており、より安定したシード層形成が可能となった。

●膨潤DS-160

過マンガン酸エッチングでの粗化形状は膨潤の種類や条件によって決まる。DS-160は従来品・他社品と比較して低粗度から高粗度まで密着性が高いことが特長である(図2)。また建浴濃度は従来品の50%で使用可能であり薬液使用量も大幅に削減される。



デスミア工程で粗化条件を弱めることは、ビア底部のスミア除去性も弱まることが懸念されるが、FEEDでは、φ50µmの小径ビアでもスミア除去性は良好である。(図4)


●コンディショナーPB-160M
コンディショナー工程はめっき密着性に大きな影響を与える。従来のコンディショナーはイオン結合による吸着であるため密着が弱いがFEEDでは樹脂基材の官能基と強力な化学結合を形成するため高い密着性が得られる。



●キャタライザーPB-333
FEEDのアルカリキャタライザーPB-333はPd触媒の吸着能力が高いことが特長であり、従来品や他社品と比較して低いPd濃度でも高い吸着量が得られる(図6)。そのため他社品と比較してPdの低濃度化が可能でありPd触媒の使用量削減が期待できる。


●無電解銅めっきPB-507F
PB-507Fはシアンフリータイプの薄付け無電解銅めっき浴である。一般的に樹脂が低粗度化すると無電解銅めっき皮膜にブリスター(フクレ)が生じやすくなるが、FEEDの無電解銅めっきPB-507FはRa50µm以下の平滑な樹脂上でも添加剤の効果によりブリスター発生が無い。
従来品からの改良点として浴安定性・初期析出性・ピール強度・ビア底部の付き回り性が向上している。また成分の濃縮化による低コスト化も図られており、より安定したシード層形成が可能となった。

加速耐熱性評価

FEEDはHAST試験でのピール強度の低下が少なく、またRa50µm前後の非常に平滑な積層フィルムで260℃リフロー20サイクル実施してもめっき皮膜のブリスターの発生は無く、熱と水分による密着力の低下も少ない。


FEEDはHAST試験でのピール強度の低下が少なく、またRa50µm前後の非常に平滑な積層フィルムで260℃リフロー20サイクル実施してもめっき皮膜のブリスターの発生は無く、熱と水分による密着力の低下も少ない。


配線形成

2種類の低粗度フィルムに対してFEEDデスミア、無電解銅めっきでシード層を形成し、SAP法により配線形成の試作を行った。従来の無電解銅めっきでは困難であったRa50nmの低粗度表面でのL/S=8/8µmの微細配線形成が可能であることが確認された。

2種類の低粗度フィルムに対してFEEDデスミア、無電解銅めっきでシード層を形成し、SAP法により配線形成の試作を行った。従来の無電解銅めっきでは困難であったRa50nmの低粗度表面でのL/S=8/8µmの微細配線形成が可能であることが確認された。

おわりに

FEEDでは、従来は困難であった低粗度樹脂への高密着めっき、ならびに使用薬液の削減によるコストダウン・低環境負荷が実現された。本プロセスとフィリング銅めっきCU-BRITE VFシリーズ、フラッシュエッチSACは、SAP配線基板のさらなる微細化に貢献できるプロセスと期待できる。

その他記事

JCUテクニカルレポート 95号 2014年1月