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JCUテクニカルレポート バックナンバー一覧

高耐食性Niめっき/Auめっきプロセス New STARK BARRIER(特許申請中)

総合研究所
エレクトロニクス技術開発2部
竹花 渉 Wataru TAKEHANA / 沼口 智子 Satoko NUMAGUCHI / 時尾 香苗 Kanae TOKIO

 

解析センター
清野 正三 Shozo SEINO

 

基幹技術開発部
福島 敏明 Toshiaki FUKUSHIMA

はじめに

STARK BARRIERプロセス(以下SB)は、Auの薄膜化に対し、封孔処理無しでも耐食性を維持、向上させることのできる少金化可能なプロセスである。
前報(JCU TECHNICAL REPORT Vol.88・91)では、耐食性を向上させるため、イオウレス化したNiめっきを下地に用いたAuプロセスを紹介した。しかし、皮膜自体の耐食性は向上するものの、挿抜後の耐食性(耐傷性)が劣ることが判明した。そこで、挿抜性に優れた光沢Ni(イオウ含有)でも耐食性が確保できるNiめっきの検討を行った。
本報では、耐食性に優れ、かつ耐傷性にも優れた改良版「NewSTARK BARRIER」プロセスを紹介する。

用途

・コネクタ接点部へのNi/Auめっき
・外部メディアなどの端子部へのNi/Auめっき

・コネクタ接点部へのNi/Auめっき
・外部メディアなどの端子部へのNi/Auめっき

特長

・耐食性に優れた光沢Niめっき皮膜
・バリア層(Sn-Niめっき/Pdめっき:2層)を形成
⇒挿抜後の耐食性が格段に向上

・耐食性に優れた光沢Niめっき皮膜
・バリア層(Sn-Niめっき/Pdめっき:2層)を形成
⇒挿抜後の耐食性が格段に向上

従来SBプロセスとの相違点

新旧の相違点を図1に示す。


従来SBは、Niめっき表面が粗いため、Auめっき表面も粗くなり挿抜によるダメージが大きい。一方、NewSBはNi表面が平滑なためAuめっき表面も平滑になり、挿抜によるダメージが少ない。

新旧の相違点を図1に示す。


従来SBは、Niめっき表面が粗いため、Auめっき表面も粗くなり挿抜によるダメージが大きい。一方、NewSBはNi表面が平滑なためAuめっき表面も平滑になり、挿抜によるダメージが少ない。

耐食性メカニズム

1.Niめっきの金属添加剤効果
・Niめっきの析出微細化によるNiめっき自体のピンホール低減
・Ni表面の金属添加剤濃化による界面腐食低減
・Niめっき粒界への金属添加剤共析による粒界腐食低減
⇒金属添加剤の効果により、イオウ含有でも高耐食性を確保

2.Niめっきのイオウ系添加剤のレベラー効果
・ Niめっき表面の平滑化による耐傷性向上
・ Niめっき平滑化によるAuめっきのピンホール低減

3.バリアめっきの多層化
Sn-Niめっき、Pdめっきの多層化によるバリア効果
⇒AuめっきにピンホールができてもNiまで達しない。

4.成形部材(素材)の平滑化
⇒素材の材質に適した前処理を選択することにより素材表面を平滑にし、最終めっき表面の析出性を改善

1.Niめっきの金属添加剤効果
・Niめっきの析出微細化によるNiめっき自体のピンホール低減
・Ni表面の金属添加剤濃化による界面腐食低減
・Niめっき粒界への金属添加剤共析による粒界腐食低減
⇒金属添加剤の効果により、イオウ含有でも高耐食性を確保

2.Niめっきのイオウ系添加剤のレベラー効果
・ Niめっき表面の平滑化による耐傷性向上
・ Niめっき平滑化によるAuめっきのピンホール低減

3.バリアめっきの多層化
Sn-Niめっき、Pdめっきの多層化によるバリア効果
⇒AuめっきにピンホールができてもNiまで達しない。

4.成形部材(素材)の平滑化
⇒素材の材質に適した前処理を選択することにより素材表面を平滑にし、最終めっき表面の析出性を改善

耐食性評価試験結果

耐食性試験として硝酸ばっ気試験を行った。試験結果を表1に示す。
なお、今回は比較的耐食性が得にくい真鍮材を用いて試験を行った。また、耐傷性を確認するため、めっき後表面に傷をつけたサンプルにて硝酸ばっ気試験を実施した。試験結果を図2に示す。いずれの試験においてもNewSBプロセスは通常 Ni/Au工程品に比べ、優れた耐食性を確保している。Niのみ変更するだけでも耐食性は向上し、さらに多層化することにより、Auめっき膜厚0.1μmでも、Au0.5μmに匹敵する耐食性が得られる。
また、図2からは耐傷性の向上が確認される。

耐食性試験として硝酸ばっ気試験を行った。試験結果を表1に示す。
なお、今回は比較的耐食性が得にくい真鍮材を用いて試験を行った。また、耐傷性を確認するため、めっき後表面に傷をつけたサンプルにて硝酸ばっ気試験を実施した。試験結果を図2に示す。いずれの試験においてもNewSBプロセスは通常 Ni/Au工程品に比べ、優れた耐食性を確保している。Niのみ変更するだけでも耐食性は向上し、さらに多層化することにより、Auめっき膜厚0.1μmでも、Au0.5μmに匹敵する耐食性が得られる。
また、図2からは耐傷性の向上が確認される。

おわりに

今回ご紹介したNew STARK BARRIERプロセスは、耐食性および耐傷性を格段に向上させ、さらにAuめっきの薄膜化(少金化)を実現している。
今後ますます進むと思われる少金化の流れにお応えできるプロセスであると考えている。

その他記事

JCUテクニカルレポート 94号 2013年9月