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JCUテクニカルレポート バックナンバー一覧

NEW FINELISE

総合研究所
エレクトロニクス技術開発1部
エッチング技術課
石川 久美子Kumiko ISHIKAWA / 谷本 樹一Juichi TANIMOTO

はじめに

プリント配線基板では、セミアディティブプロセス(SAP)に代表される配線パターンの微細化が進んでいる。しかしながら、微細化が進むに連れて無電解Ni/Pd/Au工程時にパターン間の樹脂上にNiめっきが析出してブリッジが発生し、短絡不良や絶縁不良が懸念される。この現象は、無電解銅めっき工程に由来したPd触媒が樹脂上に残留することで発生してしまうので、事前に除去する必要がある。
その対応として、当社製品であるPd除去、ブリッジ防止プロセス「FINELISE」はPd除去(PJ-10)とブリッジ防止(BB-20)に非常に有効である。しかし、本プロセスは2工程となるのでこれを1工程に短縮化し、更にブリッジ防止効果の改善にも成功したので、本稿でその開発品「NEW FINELISE」について紹介する。

特長

1)1工程で“Pd除去、ブリッジ防止”が可能。
2)回路(Cu)に対するアタックが弱いので、アンダーカットが非常に少ない。
3)銅の溶解量が僅かなので浴寿命が長い。
4)シアン(CN)、塩素(Cl¯)、硝酸(NOx)フリーの処理液で、フラッシュエッチング(当社SAC)と同一ラインで運用が可能。
5)浸漬(揺動or噴流)、水平スプレー処理に対応。

1)1工程で“Pd除去、ブリッジ防止”が可能。
2)回路(Cu)に対するアタックが弱いので、アンダーカットが非常に少ない。
3)銅の溶解量が僅かなので浴寿命が長い。
4)シアン(CN)、塩素(Cl¯)、硝酸(NOx)フリーの処理液で、フラッシュエッチング(当社SAC)と同一ラインで運用が可能。
5)浸漬(揺動or噴流)、水平スプレー処理に対応。

Pd除去性

エポキシ樹脂基板上にPd触媒を付与した素材を用い、新液と擬似老化液(Cu:5g/L溶解液)におけるPd除去性を評価した結果を図2に示す。開発品のPd除去率は従来品と同等で、Cu溶解(老化)による影響も無く、優れたPd除去性が得られる。

エポキシ樹脂基板上にPd触媒を付与した素材を用い、新液と擬似老化液(Cu:5g/L溶解液)におけるPd除去性を評価した結果を図2に示す。開発品のPd除去率は従来品と同等で、Cu溶解(老化)による影響も無く、優れたPd除去性が得られる。

ブリッジ防止性

各Pd除去処理後のSAP基板に当社「SKYLITE」プロセスにて無電解Niめっき(約4μm)を行ない、Niブリッジ防止性を評価した結果を図3に示す。Pd除去未処理の場合、パターン全面にNiめっきが析出し、回路間のブリッジが発生しているが、開発品はCu配線上にのみNiめっきが析出している為、ブリッジが防止されている。また、従来品よりも優れたブリッジ防止性が得られており、Cu溶解(老化)による性能への影響もみられなかった。

各Pd除去処理後のSAP基板に当社「SKYLITE」プロセスにて無電解Niめっき(約4μm)を行ない、Niブリッジ防止性を評価した結果を図3に示す。Pd除去未処理の場合、パターン全面にNiめっきが析出し、回路間のブリッジが発生しているが、開発品はCu配線上にのみNiめっきが析出している為、ブリッジが防止されている。また、従来品よりも優れたブリッジ防止性が得られており、Cu溶解(老化)による性能への影響もみられなかった。

Cu配線へのアタック性

各Pd除去処理後のCu配線表面状態および断面形状を評価した結果を図4に示す。いずれの条件においても表面形状に変化は見られず良好な状態だった。しかし、断面形状においては、従来品ではCu溶解によりCu配線へのアタック性が強くなる傾向が見られたのに対し、開発品は老化による性能への影響は無く、アンダーカットも発生していなかった。このことから、開発品は従来品よりもCu配線へのアタックが少ない事と浴寿命が長い事を確認した。

各Pd除去処理後のCu配線表面状態および断面形状を評価した結果を図4に示す。いずれの条件においても表面形状に変化は見られず良好な状態だった。しかし、断面形状においては、従来品ではCu溶解によりCu配線へのアタック性が強くなる傾向が見られたのに対し、開発品は老化による性能への影響は無く、アンダーカットも発生していなかった。このことから、開発品は従来品よりもCu配線へのアタックが少ない事と浴寿命が長い事を確認した。

おわりに

今回ご紹介した「NEW FINELISE」は、Cu配線に対するアタックがほとんど無く、優れたPd除去性と高いブリッジ防止効果が得られるプロセスである。今後更に進む微細化へ向けた要望に貢献出来るよう努めていきたい。

その他記事

JCUテクニカルレポート 93号 2013年1月