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CU-BRITE VT28

総合研究所
エレクトロニクス技術開発1部
PWBめっき技術課
富田 秀雄Hideo TOMITA / 高谷 康子Yasuko TAKAYA

はじめに

近年プリント基板や電子部品はますます多種多様化し、硫酸銅めっきにもブラインドビアホール(以下、BVH)およびスルーホール(以下、PTH)混在基板や高アスペクトスルーホールへの更なる付き回り性の向上が求められている。また基板の多様化に伴い、多種基板を同一ラインで加工できることなどが望まれている。
弊社ではこれまでCU-BRITE 21(以下、CB-21)を販売し、世界各国で多くのユーザーからご支持をいただいてきたが、更なるニーズに応えるべくこの度CU-BRITE VT28(以下、VT28)プロセスを開発した。
本稿では、BVHおよびPTHへの更なる付き回り性の向上を目的としたHDI基板対応光沢硫酸銅めっきプロセス『VT28』についてご紹介する。

特長

1) BVHの付き回りに優れ、ハーフフィリングも可能。
2) BVHの付き回り100%以上を維持しつつ、PTHにも高スローイングパワーを発揮。
3) 溶解性・不溶解性の両アノードに対応。
4) 液の安定性が高く、短時間で立ち上げが可能。
5) アノードスライムが少なく、アノードメンテナンス作業を軽減。
6) 管理幅が広いため、ハルセル外観の確認と週1回程度のCVS分析でも管理可能。
7) 皮膜物性に優れ、低電着応力制御が可能。


写真1にBVHとPTHの断面を示す。VT28プロセスでは従来浴と比較してBVHの付き回りが飛躍的に向上し、ハーフフィリングとPTHの付き回りの向上が両立できる。写真1ではBVHのハーフフィリングおよびPTHの付き回りは100%以上で、尚且つコーナーの膜厚も十分であることがわかる。
また優れた均一電着性により、同じ浴組成でも写真2に示すような1.6mmt-0.25mmφ程度のハイスロー基板も加工できる。このため多種基板を同一ラインで生産することが可能である。


図1に硫酸濃度170g/Lにおける陰極電流密度とBVHへのスローイングパワーの関係を示す。従来浴ではBVHの付き回りが100%以下であったが、VT28プロセスは広い陰極電流密度で100%を超えるスローイングパワーを発揮する。このため、PTHの付き回りに有利な硫酸を上げた状態でも、BVHを有するHDI基板の生産が可能になる。


また、更に硫酸濃度を上げることで、2.4mmtや3.2mmtなどのより高アスペクト比を持つマルチ基板への対応も可能である。図2に陰極電流密度2A/dm²におけるPTHアスペクトとスローイングパワーの関係を示す。グラフからわかるように、VT28プロセスでは高アスペクト比のPTHほど従来浴より優れたスローイングパワーが得られる。

1) BVHの付き回りに優れ、ハーフフィリングも可能。
2) BVHの付き回り100%以上を維持しつつ、PTHにも高スローイングパワーを発揮。
3) 溶解性・不溶解性の両アノードに対応。
4) 液の安定性が高く、短時間で立ち上げが可能。
5) アノードスライムが少なく、アノードメンテナンス作業を軽減。
6) 管理幅が広いため、ハルセル外観の確認と週1回程度のCVS分析でも管理可能。
7) 皮膜物性に優れ、低電着応力制御が可能。


写真1にBVHとPTHの断面を示す。VT28プロセスでは従来浴と比較してBVHの付き回りが飛躍的に向上し、ハーフフィリングとPTHの付き回りの向上が両立できる。写真1ではBVHのハーフフィリングおよびPTHの付き回りは100%以上で、尚且つコーナーの膜厚も十分であることがわかる。
また優れた均一電着性により、同じ浴組成でも写真2に示すような1.6mmt-0.25mmφ程度のハイスロー基板も加工できる。このため多種基板を同一ラインで生産することが可能である。


図1に硫酸濃度170g/Lにおける陰極電流密度とBVHへのスローイングパワーの関係を示す。従来浴ではBVHの付き回りが100%以下であったが、VT28プロセスは広い陰極電流密度で100%を超えるスローイングパワーを発揮する。このため、PTHの付き回りに有利な硫酸を上げた状態でも、BVHを有するHDI基板の生産が可能になる。


また、更に硫酸濃度を上げることで、2.4mmtや3.2mmtなどのより高アスペクト比を持つマルチ基板への対応も可能である。図2に陰極電流密度2A/dm²におけるPTHアスペクトとスローイングパワーの関係を示す。グラフからわかるように、VT28プロセスでは高アスペクト比のPTHほど従来浴より優れたスローイングパワーが得られる。

長期安定性

図3にめっき浴連続使用時のBVHおよびPTHのスローイングパワーの推移を示す。めっき液を使い込んでも高い性能を維持していることがわかる。

図3にめっき浴連続使用時のBVHおよびPTHのスローイングパワーの推移を示す。めっき液を使い込んでも高い性能を維持していることがわかる。

皮膜物性

表1、2 にVT28プロセスの皮膜物性データを示す。めっき皮膜は低電着応力であり、物性にも優れている。10,000穴のループ回路基板を使用したヒートサイクル試験においても100サイクル以上をクリアした。


表1、2 にVT28プロセスの皮膜物性データを示す。めっき皮膜は低電着応力であり、物性にも優れている。10,000穴のループ回路基板を使用したヒートサイクル試験においても100サイクル以上をクリアした。


浴管理

弊社添加剤CB-21プロセスは浴管理の容易さでもご好評いただいているが、同様に本プロセスも管理が非常に容易である。通常建浴から24時間以内の立ち上げが可能であり、ハルセル外観の確認と週1回程度のCVS分析で管理できる。
また、溶解性アノード使用時の従来浴の問題点として、アノードスライムの発生や、休み明けの立ち上げ時間が挙げられるが、CB-21同様アノードスライムの発生が少なく、アノードのメンテナンス作業も軽減できる。また、一価銅の影響等を受けづらいため、休み明けの立ち上げも容易である。
CB-21の唯一の欠点として不溶性陽極に対応していなかったが、本プロセスは両アノード対応であるためアノードの種類によりプロセスを変える必要がなく、分析管理などの負担も軽減できる。

弊社添加剤CB-21プロセスは浴管理の容易さでもご好評いただいているが、同様に本プロセスも管理が非常に容易である。通常建浴から24時間以内の立ち上げが可能であり、ハルセル外観の確認と週1回程度のCVS分析で管理できる。
また、溶解性アノード使用時の従来浴の問題点として、アノードスライムの発生や、休み明けの立ち上げ時間が挙げられるが、CB-21同様アノードスライムの発生が少なく、アノードのメンテナンス作業も軽減できる。また、一価銅の影響等を受けづらいため、休み明けの立ち上げも容易である。
CB-21の唯一の欠点として不溶性陽極に対応していなかったが、本プロセスは両アノード対応であるためアノードの種類によりプロセスを変える必要がなく、分析管理などの負担も軽減できる。

おわりに

今回ご紹介した『CU-BRITE VT28プロセス』はBVHのハーフフィリングが可能であり、従来プロセスと比較してBVHで30~50%、PTHで5~10%均一電着性の向上を達成した。
また、溶解性・不溶解性両アノードで使用でき、良好な皮膜物性・浴安定性・容易な浴管理等HDI基板対応ハイスロー硫酸銅めっきに求められる性能を全て兼ね備えた添加剤である。
これらの優れた性能により既に数社にご使用・ご評価いただき、良好な結果を得ている。今後ますます多様化するニーズにお応えできるプロセスであると確信している。

その他記事

JCUテクニカルレポート 92号 2012年8月