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海外現地法人でのR&Dセンター開設について

総合研究所
海外技術統括部 兼
台湾荏原優吉莱特有限公司 R&D
萩原 秀樹Hideki HAGIWARA

2008年のリーマン・ショック、2010年のギリシャ・ショック、そして2011年3月11日に発生した東日本大震災など、日本では失われた10年以降も立て続けに経済へ大きく影響する出来事が起こっています。これらも一因となり、今も原材料の高騰やサプライチェーンの寸断、日本円の独歩高、依然と高いままの法人税などが日本企業を圧迫しています。

これらは、我々のめっき産業においても例外ではなく、「基幹」「電子」「半導体」で少なからず影響が出ております。このような状況から、日本のお客さまの多くはリスク分散やコストダウン対応、新市場開拓のために海外への事業シフトを進めております。

その一方で、海外のお客様は新興国を中心に旺盛な需要と、低コストを武器に現地で積極的な投資を継続しています。

現在、我々は海外に出られた国内のお客様および海外のお客様へのサポートを、日本と現地法人の両方から対応させて頂いております。しかし、このような対応も小型電子機器に代表される製品サイクルの短周期化によって、もう一歩踏み込んだ対応が必要となってきています。

そこで、我々は2011年7月より、特に需要の旺盛な台湾、中国、韓国、タイの4つの現地法人内にR&Dセンターを設立し、現地での要求に対し、よりタイムリーに対応できるようにしました。これにより、現地トラブルや新規開発テーマについて、これまで以上のスピードを持った対応が可能になるばかりでなく、現地調達や現地製造と併せることでコストダウンにも寄与できるようになると考えております。

先の製品サイクルの短周期化という問題は、これまでのめっき性能重視から、スピード優先や低コスト路線に変わる要素を含んでおります。海外現地法人内へのR&Dセンター設立は、このような事情も考慮し運営される運びとなっております。ここでは、従来のビーカースケール実験から、現場のめっきラインを模擬するだけの大きなスケールの浴、およびそれに付帯する設備までも順次備えていく予定です。これにより、日本国内の総合研究所に近い対応が、現法法人主導でもできるようになります。

このような我々の現地に根付いた対応は、現地のお客様はもとより、これから海外に出られるお客様あるいは国内に残られるお客様へも、現地の最新情報やニーズをお伝えできる機能を有していると考えております。現地には常時数人の日本人スタッフが駐在しており、研究開発や社内OJT、現地製造などに日々勤めて おります。お近くにお越しの際は、ぜひお立ち寄り下さい。

 

台湾現法R&D実験室

上海現法R&D実験室

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JCUテクニカルレポート 91号 2012年1月