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ENILEX CT-304

総合研究所 基幹技術開発部
衣幡 和男Kazuo IBATA

はじめに

近年、特に中国国内のPOP(Plating on Plastics)市場では、キャタライザー浴中のPd濃度の低濃度化が浸透してきている。従来の当社キャタライザーであると、必ずしもこのニーズを満足する性能が得られない場合もあった。この度、大きな市場ニーズとなっている低Pd濃度使用に対応できる新たなキャタライザーENILEX CT-304(以下CT-304)を開発したのでここに紹介する。

建浴組成

表1にCT-304の標準建浴組成を示す。

図1 ABS樹脂に対するPd吸着量(Pd 20ppm処理時)

図2 化学Niめっき反応初期のNi析出量

表1にCT-304の標準建浴組成を示す。

図1 ABS樹脂に対するPd吸着量(Pd 20ppm処理時)

図2 化学Niめっき反応初期のNi析出量

建浴組成

CT-304のキャタライザーとしての性能を、従来キャタライザーと比較する形で以下に示す。
【キャタライザー処理条件:浴中Pd濃度20ppm,35℃-3分】
●Pd吸着量
ABS樹脂上へのキャタライザー処理後、アクセレーター処理後のPd吸着量を図1に示す。CT-304のPd吸着量は従来品の約1.4倍となる。

表1 CT-304建浴組成

●化学Niめっき反応初期のNi析出量
化学Niめっき15秒および30秒処理時のNi析出量を図2に、またそのときの被処理物の外観を表2に示す。CT-304は、従来品で処理したものに比べ化学Niめっきの初期析出速度が著しく向上。PC/ABSでのスキップ防止、密着改善効果が期待できる。 

表2 化学Niめっき反応初期の被処理物外観

●Cr不純物耐性
キャタライザー浴中にCr6+が混入した際のPd吸着量、化学Ni析出量(30秒処理時)の変化を図3に示す。CT-304は従来品に比べ初期性能が優れる分、Cr6+持ち込みに寛容である。

図3 Cr6+混入時のPd吸着量およびNi析出量の変化

CT-304のキャタライザーとしての性能を、従来キャタライザーと比較する形で以下に示す。
【キャタライザー処理条件:浴中Pd濃度20ppm,35℃-3分】
●Pd吸着量
ABS樹脂上へのキャタライザー処理後、アクセレーター処理後のPd吸着量を図1に示す。CT-304のPd吸着量は従来品の約1.4倍となる。

表1 CT-304建浴組成

●化学Niめっき反応初期のNi析出量
化学Niめっき15秒および30秒処理時のNi析出量を図2に、またそのときの被処理物の外観を表2に示す。CT-304は、従来品で処理したものに比べ化学Niめっきの初期析出速度が著しく向上。PC/ABSでのスキップ防止、密着改善効果が期待できる。 

表2 化学Niめっき反応初期の被処理物外観

●Cr不純物耐性
キャタライザー浴中にCr6+が混入した際のPd吸着量、化学Ni析出量(30秒処理時)の変化を図3に示す。CT-304は従来品に比べ初期性能が優れる分、Cr6+持ち込みに寛容である。

図3 Cr6+混入時のPd吸着量およびNi析出量の変化

おわりに

低Pd濃度対応キャタライザーENILEX CT-304は、従来のキャタライザーに比べ以下のような特長を有する。
・樹脂素材に対する吸着性が優れる。
・触媒としての活性が非常に高く、各種樹脂に対し優れた化学 めっき析出性を示す。
・Cr6+等の不純物に寛容である。
上記より、CT-304は従来のキャタライザーと比較し、より低いPd濃度での運用が可能となり、お客様の生産性向上、コスト低減に大きく貢献できるものと確信している。

その他記事

JCUテクニカルレポート 91号 2012年1月