株式会社JCU

JCUテクニカルレポート バックナンバー一覧

STARK BARRIER (第2報)

総合研究所
エレクトロニクス技術開発2部
竹花 渉Wataru TAKEHANA / 沼口 智子Satoko NUMAGUCHI / 時尾 香苗Kanae TOKIO

 

基幹技術開発部
福島 敏明Toshiaki FUKUSHIMA

はじめに

STARKBARRIERプロセス(以下SB)は、昨今のAu価格高騰維持の状況下において、Auの薄膜化に対し、封孔処理無しでも耐食性を維持、向上化させることのできるプロセスである。前報(JCUTECHNICALREPORTVol.88)では、プロセスの特長やめっき皮膜の構成、処理工程などの概要を報告した。その後、素材(特に真鍮材)によっては、前報処理工程では満足させるには不十分であることが判明した。その改善のために検討を重ねた結果、さらに耐食性を向上させることに成功した。本報では、新に改良したプロセスについて報告する。

特長

SB(改良)プロセスの特長を述べる
1) Niめっきをイオウレス化することにより、より純粋な(貴な)Niめっき皮膜を形成
2) NiめっきとAuめっき層の中間にバリア層を形成
3) Niめっき皮膜の緻密化
4) 成型部材(素材)の平滑化
従来のSBの特長である1)、2)に新に3)、4)の特長を組み合わ せることで、より一層耐食性が向上した。

SB(改良)プロセスの特長を述べる
1) Niめっきをイオウレス化することにより、より純粋な(貴な)Niめっき皮膜を形成
2) NiめっきとAuめっき層の中間にバリア層を形成
3) Niめっき皮膜の緻密化
4) 成型部材(素材)の平滑化
従来のSBの特長である1)、2)に新に3)、4)の特長を組み合わ せることで、より一層耐食性が向上した。

めっき皮膜の構成および処理工程

めっき皮膜の構成を図1に、標準処理工程を表1に示す。

図1 めっき皮膜の構成

表1 標準処理工程

めっき皮膜の構成を図1に、標準処理工程を表1に示す。

図1 めっき皮膜の構成

表1 標準処理工程

耐食性メカニズム耐食性メカニズム

耐食性向上が得られるメカニズムは以下の通りである。
1. Niめっきのイオウレス化
Niめっき皮膜中にイオウが共析されることなく皮膜の電位が貴となる。
⇒局部電池反応(Niの酸化:Ni→Ni2++2e-)を抑制
2. バリアめっきの多層化
Sn-Niめっき,パラジウムめっきの多層化によるバリア効果。
⇒AuめっきにピンホールができてもNiまで達しない。
3. Niめっき皮膜の緻密化
⇒Niめっきの添加剤効果により、皮膜を緻密にし、Ni皮膜のピンホールを減少させる。
4. 成型部材(素材)の平滑化
⇒素材の材質に適した前処理を選択することにより素材表面 を平滑にし、最終めっき表面の析出性を改善する。

耐食性向上が得られるメカニズムは以下の通りである。
1. Niめっきのイオウレス化
Niめっき皮膜中にイオウが共析されることなく皮膜の電位が貴となる。
⇒局部電池反応(Niの酸化:Ni→Ni2++2e-)を抑制
2. バリアめっきの多層化
Sn-Niめっき,パラジウムめっきの多層化によるバリア効果。
⇒AuめっきにピンホールができてもNiまで達しない。
3. Niめっき皮膜の緻密化
⇒Niめっきの添加剤効果により、皮膜を緻密にし、Ni皮膜のピンホールを減少させる。
4. 成型部材(素材)の平滑化
⇒素材の材質に適した前処理を選択することにより素材表面 を平滑にし、最終めっき表面の析出性を改善する。

耐食性メカニズム耐食性メカニズム

耐食性試験として硝酸ばっ気試験および塩水噴霧試験を行った。試験結果を表2、3に示す。なお、今回は比較的耐食性が得にくい真鍮材を用いて試験を行った。また、耐熱性を確認するため、リフロー処理後の耐食性も確認した。いずれの試験においても改良SBプロセスは従来SBプロセス、現行品に比べ、優れた耐食性を確保している。
耐食性を比較すると、良) 改良SB > 従来SB >> 現行プロセスとなる。

表2 硝酸ばっき試験結果(Brass材)

表3 塩水噴霧試験結果(Brass材)

耐食性試験として硝酸ばっ気試験および塩水噴霧試験を行った。試験結果を表2、3に示す。なお、今回は比較的耐食性が得にくい真鍮材を用いて試験を行った。また、耐熱性を確認するため、リフロー処理後の耐食性も確認した。いずれの試験においても改良SBプロセスは従来SBプロセス、現行品に比べ、優れた耐食性を確保している。
耐食性を比較すると、良) 改良SB > 従来SB >> 現行プロセスとなる。

表2 硝酸ばっき試験結果(Brass材)

表3 塩水噴霧試験結果(Brass材)

おわりに

以上より、紹介した改良プロセスは、耐食性を格段に向上させ、さらにAuめっきの薄膜化、封孔処理レスも実現している。
本報ではコネクタを対象とした試験結果を報告したが、Auめっきが施されているコネクタ以外の電子部品への応用も期待される。
また、試作加工していただいている評価先からは高評価をいただいており、今後は本プロセスが導入され、市場に定着し、さらに幅広く拡販できるよう努めていく所存である。

その他記事

JCUテクニカルレポート 91号 2012年1月