株式会社JCU

JCUテクニカルレポート バックナンバー一覧

『大海』PSTシリーズ

新事業営業推進部
ドライ技術営業課

山田 賢一Kenichi YAMADA / 沼川 信孝Nobutaka NUMAGAWA

はじめに

当社は、2008年より「ウェットとドライプロセスの融合」をテーマとして掲げ、プリント基板(PCB)製造工程におけるデスミアやデスカム、表面改質などに対応するプラズマ処理装置を販売している。これまで、国内・海外含め数十台の販売実績があり、現在も複数台の受注を抱えている。
当社装置の最大の特長は、高スループット、高品質処理(優れた均一処理性)、低ランニングコストである。このたび、その技術と経験を生かし、発光ダイオード(LED)製造工程向けのプラズマ洗浄装置を開発した。
現在、国内のLED製造ラインでは、LSI半導体製造向けの装置が主に採用されているが、装置本体及び維持に関わるコストが高額である。今後、LEDは照明用として爆発的に普及することが確実となっており、どのメーカーもLEDの低価格化、高効率化、長寿命化を競い合っている。さらに海外メーカーとの価格競争も、いっそう激化すると予想される。
このほど、当社が開発したプラズマ洗浄装置は、半導体向けの装置に比べ低価格である。本装置の導入により、歩留り向上、生産性の向上、低ランニングコスト化を図ることができる。
本稿では、国内のLEDメーカーより引き合いを頂いている当社のプラズマ洗浄装置を紹介する。

JCUプラズマ洗浄装置のご紹介

1)LEDパッケージ用プラズマ洗浄装置
図1にLEDチップの実装工程を示す。
LEDチップをリードフレームやセラミック基板に実装する工程では、ワイヤーボンディングによる接続が行われる。この際、LEDチップ及び基板などの電極パッド上に酸化膜や有機物などの汚れが付着していると、接続信頼性が低下し、早期不良や故障を引き起こす可能性が高まる。

図1 LEDチップの実装工程

最近では、ワイヤーボンディングの前後でプラズマ洗浄を実施するのが一般的になってきている。
ワイヤーボンディング前のプラズマ洗浄では、電極パッド上の洗浄効果によるAuワイヤーの密着性向上、ワイヤーボンディング後のプラズマ洗浄では、最適な親水性付与によるモールド樹脂との密着性向上やボイド低減などの効果が確認されている。
従来、この工程では、作業者がLED基板又はLEDチップの搭載されたリードフレームを手作業でトレイ(治具)に並べて、これをチャンバー(処理室)に投入するバッチ式装置が一般的であった。
通常、LED基板やリードフレームはマガジンに20枚ほど格納された状態で搬送されている。このため、作業者は前工程より搬送されたマガジンから基材を1枚ずつ取り出し、これをトレイに数枚並べてチャンバー内に投入し、処理終了後はトレイから基材を取り出し、再び一枚ずつマガジンに戻して後工程に送るという、非常に効率の悪い作業を行っているのが現状である。
一方、当社の装置は、プリント基板向けのプラズマ装置で培ったノウハウを活用し、マガジンごとチャンバーに投入し、プラズマ洗浄を行うことを可能にした。基材をマガジンごと処理することが可能であるため、一枚ずつ手作業でトレイに並べる必要が無く、非常に優れたスループットを実現している。作業者の工数も大幅に軽減できると好評を得ている。
当社はこのほど、手動でマガジンを投入するタイプと、前工程から流れてきたマガジンを自動でチャンバーに投入し、プラズマ処理終了後も自動で後工程に送り出す自動搬送タイプの2タイプの装置をラインナップに追加した。
図2に本装置の写真を示す。

図2 LEDパッケージ用プラズマ洗浄装置写真

作業者が手動でマガジンを投入する当社のバッチタイプ装置は、1バッチで最大16マガジン(1マガジンは約50×100mm基板を20枚格納)を処理することができる。自動搬送タイプは、1バッチ1マガジンの処理となるが、チャンバー数を最大3つまで増設できるなど、生産ラインのスループットに合わせて処理能力をカスタマイズすることも可能である。
今のところ、ワイヤーボンディングの前後工程と連動した自動搬送タイプの引き合いを多く受けている。
表1に当社装置の生産能力の一例を示す。
昨今、LED基板、LED搭載のリードフレームの大型化を検討しているメーカーも多数あり、当社は要求サイズに合ったチャンバー、電源、プラズマシステムの設計も行っている。プラズマ工程を含む生産ラインに最適なマガジン形状の提案も可能である。

表1 LEDパッケージ用プラズマ洗浄装置の生産能力

表2に本装置の仕様を示す。

表2 LEDパッケージ用プラズマ洗浄装置の装置仕様

両タイプのチャンバーは、被処理物が電気的にフローティング状態(被処理物が帯電しない状態)に維持されるよう設計されており、プラズマ雰囲気中でLEDチップに与える電気的ダメージを軽減しながら、洗浄することを可能にした。このフローティング方式は当社のPCB製造向けプラズマ処理装置にも採用されており、国内・海外で多くの実績がある。
また、当社独自のノウハウでチャンバー内のガス流れやプラズマ処理条件(温度、ガス量、電力、圧力など)を最適化したことで、処理面積が広い被処理物に対しても、より均一な処理ができると好評を得ている。

2)ウエハー洗浄用プラズマ洗浄装置
現在、LED製造現場では、作業者がウエハーをトレイに並べてプラズマ洗浄を行うバッチ式装置が主流である。これに対し当社は、カセットtoカセットの自動搬送装置(図3)をラインナップに加えるべく開発を進めている。
図3の装置は、2インチのウエハー21枚を台座にセットし、一括でプラズマ処理を行うことを可能にした。また、台座を交換して制御プログラムを変更すれば、4インチや6インチ、さらには12インチのウエハーまで処理できる。
通常、エピウエハー上に電極を形成する工程では、マスクとして使用されるレジストの残渣を除去するプロセスが必須であり、ここでもプラズマ処理が常用されている。レジスト残渣が除去されないまま電極が形成されると、発光効率や寿命などの性能低下に直結するといわれている。

図3 ウエハー用プラズマ装置(開発検討装置)

この装置は平行平板型の電極とリアクティブイオンエッチング(RIE)方式の採用により、寸法制御性に優れた超微細加工が可能である。さらに、カセットtoカセットの自動搬送であるため、ハンドリングによる不良の発生を防ぐと共に、作業性や生産性の大幅な向上が期待される。
一部のLEDメーカーでは、レジスト残渣除去以外の工程(アッシングなど)でもプラズマ装置を検討頂いている。当社としては、ますます多様化する国内外のLEDメーカーの要望に応えるべく、装置性能の改善、改良に注力する方針である。
表3に本装置の仕様を示す。

表3 ウエハー用プラズマ装置仕様(参考)

1)LEDパッケージ用プラズマ洗浄装置
図1にLEDチップの実装工程を示す。
LEDチップをリードフレームやセラミック基板に実装する工程では、ワイヤーボンディングによる接続が行われる。この際、LEDチップ及び基板などの電極パッド上に酸化膜や有機物などの汚れが付着していると、接続信頼性が低下し、早期不良や故障を引き起こす可能性が高まる。

図1 LEDチップの実装工程

最近では、ワイヤーボンディングの前後でプラズマ洗浄を実施するのが一般的になってきている。
ワイヤーボンディング前のプラズマ洗浄では、電極パッド上の洗浄効果によるAuワイヤーの密着性向上、ワイヤーボンディング後のプラズマ洗浄では、最適な親水性付与によるモールド樹脂との密着性向上やボイド低減などの効果が確認されている。
従来、この工程では、作業者がLED基板又はLEDチップの搭載されたリードフレームを手作業でトレイ(治具)に並べて、これをチャンバー(処理室)に投入するバッチ式装置が一般的であった。
通常、LED基板やリードフレームはマガジンに20枚ほど格納された状態で搬送されている。このため、作業者は前工程より搬送されたマガジンから基材を1枚ずつ取り出し、これをトレイに数枚並べてチャンバー内に投入し、処理終了後はトレイから基材を取り出し、再び一枚ずつマガジンに戻して後工程に送るという、非常に効率の悪い作業を行っているのが現状である。
一方、当社の装置は、プリント基板向けのプラズマ装置で培ったノウハウを活用し、マガジンごとチャンバーに投入し、プラズマ洗浄を行うことを可能にした。基材をマガジンごと処理することが可能であるため、一枚ずつ手作業でトレイに並べる必要が無く、非常に優れたスループットを実現している。作業者の工数も大幅に軽減できると好評を得ている。
当社はこのほど、手動でマガジンを投入するタイプと、前工程から流れてきたマガジンを自動でチャンバーに投入し、プラズマ処理終了後も自動で後工程に送り出す自動搬送タイプの2タイプの装置をラインナップに追加した。
図2に本装置の写真を示す。

図2 LEDパッケージ用プラズマ洗浄装置写真

作業者が手動でマガジンを投入する当社のバッチタイプ装置は、1バッチで最大16マガジン(1マガジンは約50×100mm基板を20枚格納)を処理することができる。自動搬送タイプは、1バッチ1マガジンの処理となるが、チャンバー数を最大3つまで増設できるなど、生産ラインのスループットに合わせて処理能力をカスタマイズすることも可能である。
今のところ、ワイヤーボンディングの前後工程と連動した自動搬送タイプの引き合いを多く受けている。
表1に当社装置の生産能力の一例を示す。
昨今、LED基板、LED搭載のリードフレームの大型化を検討しているメーカーも多数あり、当社は要求サイズに合ったチャンバー、電源、プラズマシステムの設計も行っている。プラズマ工程を含む生産ラインに最適なマガジン形状の提案も可能である。

表1 LEDパッケージ用プラズマ洗浄装置の生産能力

表2に本装置の仕様を示す。

表2 LEDパッケージ用プラズマ洗浄装置の装置仕様

両タイプのチャンバーは、被処理物が電気的にフローティング状態(被処理物が帯電しない状態)に維持されるよう設計されており、プラズマ雰囲気中でLEDチップに与える電気的ダメージを軽減しながら、洗浄することを可能にした。このフローティング方式は当社のPCB製造向けプラズマ処理装置にも採用されており、国内・海外で多くの実績がある。
また、当社独自のノウハウでチャンバー内のガス流れやプラズマ処理条件(温度、ガス量、電力、圧力など)を最適化したことで、処理面積が広い被処理物に対しても、より均一な処理ができると好評を得ている。

2)ウエハー洗浄用プラズマ洗浄装置
現在、LED製造現場では、作業者がウエハーをトレイに並べてプラズマ洗浄を行うバッチ式装置が主流である。これに対し当社は、カセットtoカセットの自動搬送装置(図3)をラインナップに加えるべく開発を進めている。
図3の装置は、2インチのウエハー21枚を台座にセットし、一括でプラズマ処理を行うことを可能にした。また、台座を交換して制御プログラムを変更すれば、4インチや6インチ、さらには12インチのウエハーまで処理できる。
通常、エピウエハー上に電極を形成する工程では、マスクとして使用されるレジストの残渣を除去するプロセスが必須であり、ここでもプラズマ処理が常用されている。レジスト残渣が除去されないまま電極が形成されると、発光効率や寿命などの性能低下に直結するといわれている。

図3 ウエハー用プラズマ装置(開発検討装置)

この装置は平行平板型の電極とリアクティブイオンエッチング(RIE)方式の採用により、寸法制御性に優れた超微細加工が可能である。さらに、カセットtoカセットの自動搬送であるため、ハンドリングによる不良の発生を防ぐと共に、作業性や生産性の大幅な向上が期待される。
一部のLEDメーカーでは、レジスト残渣除去以外の工程(アッシングなど)でもプラズマ装置を検討頂いている。当社としては、ますます多様化する国内外のLEDメーカーの要望に応えるべく、装置性能の改善、改良に注力する方針である。
表3に本装置の仕様を示す。

表3 ウエハー用プラズマ装置仕様(参考)

終わりに

本稿で紹介した『LED製造工程に対応したプラズマ装置』は、歩留り向上、生産性の向上、低ランニングコストを実現可能にした新タイプのプラズマ装置である。LED市場は拡大の一途にあり、メーカー間の価格競争も熾烈だ。自動搬送システムを搭載した当社のプラズマ装置は、コストダウンという市場のニーズに応えるだけでなく、国内メーカーが世界シェアを拡大するための有力な武器になると確信する。
今後も当社の主力商品である表面処理薬品で培った技術と、プラズマなどのドライ技術を融合させて、環境に優しい表面処理技術を提案していく方針である。

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JCUテクニカルレポート 91号 2012年1月