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JCUテクニカルレポート バックナンバー一覧

SAP (セミアディティブプロセス対応) における硫酸銅めっきトップ形状平坦化メカニズム CU-BRITE RF

戦略マーケティング部
大野 晃宜 Akinobu OHNO

 

新製品新市場開発部
江田 哲朗 Tetsuro EDA

はじめに

JCU TECHNICAL REPORT 85号では、CU-BRITE RFの パターンめっきトップ形状の平坦化が得られることについて紹介 した。本報は、その平坦化が得られるメカニズムについて紹介する。

特長

1)各種ポリイミドフィルムへのメタライズが可能。
2)従来のスパッタリング法によるシード層形成よりも低コスト。
3)熱負荷後でも高い密着強度。
4)接合界面が平滑でファインパターン形成に有利。
5)ロール・ツー・ロール生産が可能。
1)各種ポリイミドフィルムへのメタライズが可能。
2)従来のスパッタリング法によるシード層形成よりも低コスト。
3)熱負荷後でも高い密着強度。
4)接合界面が平滑でファインパターン形成に有利。
5)ロール・ツー・ロール生産が可能。

実験方法

評価方法として、電流-電位曲線(HOKUTO DENKO製 HZ-3000)の測定を行った。電極には、一般に図1左の平坦な 電極(平板電極:パネル基板を想定)を使用するが、テストピース はパターン基板のため、SAP法を考慮した図1右図のスルーマスク 電極1)を使用(白色部と穴部は、それぞれDFRと被めっき部と 想定)した。
※平板電極の黒く見える部分が白金部で、周囲部と同一平面上にある。



硫酸銅めっき浴には、表1のめっき浴を準備した。

表1 使用した硫酸銅めっき浴組成

評価方法として、電流-電位曲線(HOKUTO DENKO製 HZ-3000)の測定を行った。電極には、一般に図1左の平坦な 電極(平板電極:パネル基板を想定)を使用するが、テストピース はパターン基板のため、SAP法を考慮した図1右図のスルーマスク 電極1)を使用(白色部と穴部は、それぞれDFRと被めっき部と 想定)した。
※平板電極の黒く見える部分が白金部で、周囲部と同一平面上にある。



硫酸銅めっき浴には、表1のめっき浴を準備した。

表1 使用した硫酸銅めっき浴組成

結果と考察:[配線トップ形状平坦化のメカニズム]

図2に平板電極における電流-電位曲線の結果を、図3に スルーマスク電極における結果を示した。ここで、横軸は電極の 回転数[rpm]、縦軸は析出量[mC/cm2]である。また、析出量は 0-0.2V間の面積で計算した。






平板電極を使用した場合、開発浴は回転数が上がっても 析出量は一定である。このことから、流速に関係なく一定の析出 量が得られ、パネル基板の場合、攪拌量の違いにおける膜厚 バラツキは少ないと推測する。
一方、スルーマスク電極を使用した場合、開発浴は、回転数 100rpmの析出量が最も多く、高回転になると低下している。この ことから、「液の流れが遅い」=100rpm、「速い」=500~ 2500rpmと仮定し、配線トップ形状が平坦化するメカニズムを 図4で示した。
前報では、流体摩擦により、中央部は液流が速く、両端部は 遅い。そのため、抑制剤が優先的に高電流部に吸着され、その 結果として、電流部と低電流部との析出速度が等しくなり、平坦 な配線トップ形状が得られるとの推測を報告した。(図6)

図6 前報のフラット化のメカニズム

今回は、開発浴について、低Dk時と高Dk時による結晶状態 をSIM像にて確認したので報告する。




2~15A/d㎡では、配線中央部が岩盤状の結晶になる事を 確認した(図7)。これは、高Dk作業時(核成生雰囲気下)で 抑制剤が配線中央部(高Dk部)に優先吸着して、核成長を 促進させることで見かけのDkを下げ、配線上のめっき析出速度 を均一化させるものと推測している。
一方で1A/d㎡以下の低Dk(核成長雰囲気下)では抑制剤 が吸着しても、核成長を核生成雰囲気に変えることができない ために、めっき析出速度を均一に保てず配線トップ形状が丸みを 帯びるものと推測する(図8)。

図2に平板電極における電流-電位曲線の結果を、図3に スルーマスク電極における結果を示した。ここで、横軸は電極の 回転数[rpm]、縦軸は析出量[mC/cm2]である。また、析出量は 0-0.2V間の面積で計算した。






平板電極を使用した場合、開発浴は回転数が上がっても 析出量は一定である。このことから、流速に関係なく一定の析出 量が得られ、パネル基板の場合、攪拌量の違いにおける膜厚 バラツキは少ないと推測する。
一方、スルーマスク電極を使用した場合、開発浴は、回転数 100rpmの析出量が最も多く、高回転になると低下している。この ことから、「液の流れが遅い」=100rpm、「速い」=500~ 2500rpmと仮定し、配線トップ形状が平坦化するメカニズムを 図4で示した。
前報では、流体摩擦により、中央部は液流が速く、両端部は 遅い。そのため、抑制剤が優先的に高電流部に吸着され、その 結果として、電流部と低電流部との析出速度が等しくなり、平坦 な配線トップ形状が得られるとの推測を報告した。(図6)

図6 前報のフラット化のメカニズム

今回は、開発浴について、低Dk時と高Dk時による結晶状態 をSIM像にて確認したので報告する。




2~15A/d㎡では、配線中央部が岩盤状の結晶になる事を 確認した(図7)。これは、高Dk作業時(核成生雰囲気下)で 抑制剤が配線中央部(高Dk部)に優先吸着して、核成長を 促進させることで見かけのDkを下げ、配線上のめっき析出速度 を均一化させるものと推測している。
一方で1A/d㎡以下の低Dk(核成長雰囲気下)では抑制剤 が吸着しても、核成長を核生成雰囲気に変えることができない ために、めっき析出速度を均一に保てず配線トップ形状が丸みを 帯びるものと推測する(図8)。

まとめ

開発した硫酸銅めっき浴のスルーマスク電極を使用した電流 -電位曲線から、配線トップ形状が平坦化するというメカニズム を推測できた。今後の更なる配線のファインピッチ化へ向けて 活躍できる事を期待する。

参考文献 1) 近藤和夫:"初歩から学ぶ微小めっき技術"、工業調査会

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JCUテクニカルレポート 88号 2010年8月