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硬質クロム用めっきプロセス JCUCHROM JCR-1000

総合研究所
次世代技術開発1部
福島 敏明 Toshiaki FUKUSHIMA

 

次世代技術開発1部第1課
岡原 槙也 Shinya OKAHARA

はじめに

硬質クロムめっきは、その優れた性能から広範囲に使用されている。クロムめっき浴としては、サージェント浴と呼ばれる無水クロム酸と硫酸根からなる単純な浴が、管理面の容易さから広く使用される。しかし、クロムめっきは、他の金属めっきと異なり、 電流効率が著しく低いという欠点を持っている。  本報では、電流効率の改善を始めとし、硬質クロムとして要求される性能を改善し、生産面、品質の向上を図ったJCR-1000プロセスを紹介する。

特長

以下に、JCR-1000の特長を挙げる。

●電流効率が高く作業効率に優れる
図1に示すように、サージェント浴に比べ50%以上の電流効率の改善が得られる。このため、めっき時間の短縮が可能となり生産性の向上が図れる。

図1 浴種と電流効率

●光沢のよい、硬さの高い皮膜が得られる
図2にJCR-1000添加量と硬さの関係を示す。JCR-1000添加により硬さの上昇が見られ、添加量40mL/L以上にてマイクロビッカース硬さ1000以上の値を安定して得ることができる。

図2 JCR-1000濃度と硬さ

●クラック密度が高く耐食性に優れる
図3にサージェント浴(JCR-1000無添加浴)と添加浴からの析出皮膜の表面写真、およびFIBによる断面SIM像を示す。
サージェント浴のめっき皮膜の表面には大きなクラックの発生が見られ、断面観察によりクラックは素材まで達していることが確認される。一方、JCR-1000添加浴は表面に微細なクラックの発生が見られ、断面観察からめっき層内においてもクラックは微細であり連続性がないことが確認される。
クロムめっきは、その析出皮膜の応力によりクラックを生ずることが良く知られているが、JCR-1000浴は発生するクラックをマイクロクラックの形状に変化させるため、優れた耐食性を有する。
図4にCASS試験結果の一例を示す。

図3 クロムめっき皮膜の表面写真(上段)および断面SIM像(下段)

図4 耐食性試験結果(CASS)

●無めっき部の素地荒れを起こさない
サージェント浴の電流効率向上として、フッ化物浴が提案され、めっき皮膜硬さ、めっきの密着性などの点で優れた性質を示した。しかし、フッ化物は腐食性が強く、特にめっきが析出しない低電流箇所がエッチングされ素地荒れを生じる欠点がある。
JCR-1000浴は、フッ化物浴に勝る電流効率、皮膜硬さなどを有しながらも、無めっき箇所の素地荒れの生じないプロセスである。

●無水クロム酸は別添加のため、液管理が容易
めっき浴の構成成分である無水クロム酸は、電解析出による消耗および汲み出しにより消耗する。一方、添加剤JCR-1000は主に汲み出し消耗となる。
このため、JCR-1000は、無水クロム酸を別添加とし、個々に調整できる構成とした。また、機器分析により添加剤濃度分析が可能なため、個々のライン特性に合わせた液管理が容易となる。

以下に、JCR-1000の特長を挙げる。

●電流効率が高く作業効率に優れる
図1に示すように、サージェント浴に比べ50%以上の電流効率の改善が得られる。このため、めっき時間の短縮が可能となり生産性の向上が図れる。

図1 浴種と電流効率

●光沢のよい、硬さの高い皮膜が得られる
図2にJCR-1000添加量と硬さの関係を示す。JCR-1000添加により硬さの上昇が見られ、添加量40mL/L以上にてマイクロビッカース硬さ1000以上の値を安定して得ることができる。

図2 JCR-1000濃度と硬さ

●クラック密度が高く耐食性に優れる
図3にサージェント浴(JCR-1000無添加浴)と添加浴からの析出皮膜の表面写真、およびFIBによる断面SIM像を示す。
サージェント浴のめっき皮膜の表面には大きなクラックの発生が見られ、断面観察によりクラックは素材まで達していることが確認される。一方、JCR-1000添加浴は表面に微細なクラックの発生が見られ、断面観察からめっき層内においてもクラックは微細であり連続性がないことが確認される。
クロムめっきは、その析出皮膜の応力によりクラックを生ずることが良く知られているが、JCR-1000浴は発生するクラックをマイクロクラックの形状に変化させるため、優れた耐食性を有する。
図4にCASS試験結果の一例を示す。

図3 クロムめっき皮膜の表面写真(上段)および断面SIM像(下段)

図4 耐食性試験結果(CASS)

●無めっき部の素地荒れを起こさない
サージェント浴の電流効率向上として、フッ化物浴が提案され、めっき皮膜硬さ、めっきの密着性などの点で優れた性質を示した。しかし、フッ化物は腐食性が強く、特にめっきが析出しない低電流箇所がエッチングされ素地荒れを生じる欠点がある。
JCR-1000浴は、フッ化物浴に勝る電流効率、皮膜硬さなどを有しながらも、無めっき箇所の素地荒れの生じないプロセスである。

●無水クロム酸は別添加のため、液管理が容易
めっき浴の構成成分である無水クロム酸は、電解析出による消耗および汲み出しにより消耗する。一方、添加剤JCR-1000は主に汲み出し消耗となる。
このため、JCR-1000は、無水クロム酸を別添加とし、個々に調整できる構成とした。また、機器分析により添加剤濃度分析が可能なため、個々のライン特性に合わせた液管理が容易となる。

おわりに

硬質クロムめっきは、その優れた特性により、今後も広範囲の業界にて種々の部品に適用されていくと思われる。今回ご紹介したJCR-1000プロセスは、生産性の向上、また品質の向上などに貢献できると確信している。

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JCUテクニカルレポート 87号 2010年1月