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JCUテクニカルレポート バックナンバー一覧

多孔質めっきプロセス(開発中)

総合研究所
新規技術開発部
堀 真雄 Masao HORI

 

基幹技術開発部
松島 勇介 Yusuke MATSUSHIMA

はじめに

3次元構造を有する多孔質金属は、高い比表面積を持つことから電池やキャパシタの電極材料、電気化学センサ、熱交換器、フィルター等の多くの分野で応用が期待されている。

めっき浴に特定の界面活性剤を数種添加することにより、多孔質めっき皮膜の形成を確認したので、皮膜の成長機構と構造制御についてCuめっきを例として紹介する。

使用条件

表1に多孔質Cuめっきの浴組成、表2にめっきの作業条件を示す。

表1に多孔質Cuめっきの浴組成、表2にめっきの作業条件を示す。

めっき液の特徴

図1に、表1で示した多孔質Cuめっき液(添加剤あり)と、添加剤なしのめっき液写真、および顕微鏡観察像を示す。添加剤を入れためっき液は、エマルションを形成し濁っていることが確認された。

図1に、表1で示した多孔質Cuめっき液(添加剤あり)と、添加剤なしのめっき液写真、および顕微鏡観察像を示す。添加剤を入れためっき液は、エマルションを形成し濁っていることが確認された。

めっき皮膜の特徴

1)めっきの経時変化
多孔質Cuめっき皮膜のめっき時間による表面形状を図2、孔径・孔数の関係グラフを図3に示す。添加剤の働きにより多数の孔形成がみられた。また、めっき時間の増加により孔径の増大、孔数の減少が確認された。

1)めっきの経時変化
多孔質Cuめっき皮膜のめっき時間による表面形状を図2、孔径・孔数の関係グラフを図3に示す。添加剤の働きにより多数の孔形成がみられた。また、めっき時間の増加により孔径の増大、孔数の減少が確認された。

3)皮膜成長過程
前述1)、2)の結果から、皮膜の成長過程を推測する。めっき開始初期に、おそらく電気的な力によりエマルションが素材界面に吸着し(図6a)、隙間を埋めるようにCuが析出する(図6b)。その後、エマルションの特異吸着(図6c)とその隙間を埋めるCuの析出(図6d)を繰り返すことによって直線的な孔を有する皮膜が成長したと推測される。また、孔径の増大や、孔が閉じるといった現象は、エマルションの吸着量の増加および無吸着に起因すると考えられる(図6e)。

3)皮膜成長過程
前述1)、2)の結果から、皮膜の成長過程を推測する。めっき開始初期に、おそらく電気的な力によりエマルションが素材界面に吸着し(図6a)、隙間を埋めるようにCuが析出する(図6b)。その後、エマルションの特異吸着(図6c)とその隙間を埋めるCuの析出(図6d)を繰り返すことによって直線的な孔を有する皮膜が成長したと推測される。また、孔径の増大や、孔が閉じるといった現象は、エマルションの吸着量の増加および無吸着に起因すると考えられる(図6e)。

その他金属による多孔質めっき

図7に示した通り、NiやCoにおいても、Cuめっきと同様なめっき皮膜を析出することが可能である。

図7に示した通り、NiやCoにおいても、Cuめっきと同様なめっき皮膜を析出することが可能である。

おわりに

本報では直管状の孔を有する多孔質めっきについて報告した。また、本報告は表面技術協会第133回講演大会の発表内容でもある。

今後は製品化に向けて鋭意研究を行うとともに、早期に市場展開を図る所存である。

その他記事

JCUテクニカルレポート 101号 2017年1月