株式会社JCU

JCUテクニカルレポート バックナンバー一覧

レジスト剥離プロセス RS-083 SU

総合研究所
エレクトロニクス技術開発1部
新城 沙耶加 Sayaka ARASHIRO / 庄野 浩己 Hiroki SHONO

はじめに

プリント配線板の製造において、セミアディティブ法に用いられるめっきレジスト(ドライフィルム、以下DF)の剥離液には水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどの無機アルカリ系水溶液が使用されてきた。しかしながら、無機アルカリ系水溶液の剥離液では、硬化したDFが金属表面よりフィルム状に剥離し、細線パターンではそのパターン間からの剥離が困難となり、残存する問題が懸念されている。一方、水溶性有機溶剤剥離液は、剥離片が微細に粉砕されるため、細線パターン間においても残存する可能性が低いことから、微細配線対応として水溶性有機溶媒剥離液の剥離液の使用が増加している。
微細配線に有利な水溶性有機溶媒剥離液は、近年、空気中の炭酸ガスの溶解に伴い、炭酸塩類が蓄積することで剥離性能が低下することが報告されている。
開発過程において種々の実験結果から、アルカリ系剥離液への空気中の炭酸ガスの溶解は防止出来ないと判断し、浴性能として炭酸ガスが溶解しても剥離性能を維持することが出来る水溶性有機溶媒剥離液RS-083 SUを開発したので紹介する。

製品概要

1) セミアディティブプロセス等のファインパターン形成を目的としたDFの剥離や、バンプ形成用の高膜厚DFの剥離用濃縮水溶液。
2) 炭酸ガスによる性能低下を抑え、長寿命。
3) SU剤、B剤の2液を純水で希釈混合して作業浴とする。
4) SU剤、B剤は滴定分析で濃度分析が可能なため、濃度コントロールが容易。
5) スプレー、浸漬、両方式で処理が可能。
6) 廃棄物処理の難しいフェノール類、フッ化物、リン酸塩を非含有。

1) セミアディティブプロセス等のファインパターン形成を目的としたDFの剥離や、バンプ形成用の高膜厚DFの剥離用濃縮水溶液。
2) 炭酸ガスによる性能低下を抑え、長寿命。
3) SU剤、B剤の2液を純水で希釈混合して作業浴とする。
4) SU剤、B剤は滴定分析で濃度分析が可能なため、濃度コントロールが容易。
5) スプレー、浸漬、両方式で処理が可能。
6) 廃棄物処理の難しいフェノール類、フッ化物、リン酸塩を非含有。

浴寿命

銅箔付き両面基板(以下、CCL)にDFをラミネートし露光まで行った基板を5×5cm2に切り出し、試験片とした。(浴温50度、浸漬処理、揺動あり、DF:SAP用25μm厚)
耐炭酸性の評価として、スプレー装置を用いて剥離処理せずスプレーポンプのみ稼動させ、稼動時間毎に剥離液を採取し、試験片により剥離時間と剥離片の大きさを計測した。浴寿命は初期の剥離時間から1.5倍、もしくは、剥離片サイズが極端に肥大化した時間とした。従来品はスプレー稼働時間と共に剥離時間が長くなり、約92時間で浴寿命に達した(図1)。なお改良浴は、剥離時間はほぼ一定に推移していることから、浴寿命に到達した従来品の剥離片と同等の剥離片サイズになった時間をRS-083SU(改良浴)の浴寿命とし、約168時間を浴寿命と判断した(図2)。これらの結果から、従来品と比較して約1.8倍の浴寿命を有していることを確認した。

銅箔付き両面基板(以下、CCL)にDFをラミネートし露光まで行った基板を5×5cm2に切り出し、試験片とした。(浴温50度、浸漬処理、揺動あり、DF:SAP用25μm厚)
耐炭酸性の評価として、スプレー装置を用いて剥離処理せずスプレーポンプのみ稼動させ、稼動時間毎に剥離液を採取し、試験片により剥離時間と剥離片の大きさを計測した。浴寿命は初期の剥離時間から1.5倍、もしくは、剥離片サイズが極端に肥大化した時間とした。従来品はスプレー稼働時間と共に剥離時間が長くなり、約92時間で浴寿命に達した(図1)。なお改良浴は、剥離時間はほぼ一定に推移していることから、浴寿命に到達した従来品の剥離片と同等の剥離片サイズになった時間をRS-083SU(改良浴)の浴寿命とし、約168時間を浴寿命と判断した(図2)。これらの結果から、従来品と比較して約1.8倍の浴寿命を有していることを確認した。

パターン基板での処理性

L/S=7/7μmパターン基板での処理性を確認した(図3)。問題なく剥離が可能であることを確認した。

L/S=7/7μmパターン基板での処理性を確認した(図3)。問題なく剥離が可能であることを確認した。

おわりに

今回紹介したRS-083SUは、水溶性有機溶媒剥離液での炭酸ガス溶解による性能低下問題で、剥離性能を維持することが可能となるプロセスである。作業効率の向上やコスト低減に貢献できるものと考えている。

その他記事

JCUテクニカルレポート 100号 2016年8月