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ドライフィルム残渣除去処理 ウェットデスカム WD

総合研究所
エレクトロニクス技術開発1部
安藤 裕久 Hirohisa ANDO / 沈 暁鷹 Xiaoying SHEN / 庄野 浩己 Hiroki SHONO

はじめに

近年の基板配線は高密度化のため、細線化要求は高く、現状においてはセミアディティブ工法によるパターンめっきでの配線形成が必要不可欠となっている。

 

〈セミアディティブ工程〉

① シード層形成 / 無電解銅めっき(+極薄銅箔)

② めっきレジスト形成 / ドライフィルム(以下、DF)パターン形成(DFパターン露光→現像)

③ パターンめっき / 硫酸銅めっき

④ めっきレジスト除去 / DF剥離

⑤ 銅シード層除去 / フラッシュエッチング

⑥ Pd除去

 

上記セミアディティブ工法では、「⑤銅シード層除去」のエッチング後に銅配線の下部(裾部)が過剰腐食されるアンダーカットが多く見られる。アンダーカットは配線の密着性低下に繋がり、配線が細くなるほど剥離するリスクが高くなる。そのため、微細配線形成の課題の一つとなっている。アンダーカット発生の要因は、主に「②DFパターン現像」後のレジスト残渣であり、一般的にスカムと呼ばれている。これがシード層と銅めっきの界面に残留することで、「⑤エッチング液」が過剰浸食し、アンダーカットが発生すると考えている。

アンダーカット対策として、プラズマ処理によるスカム除去(以下、デスカム)が有効である。プラズマ装置で「②現像」後にデスカム処理を行うことでアンダーカットが低減され、L/S=2/2μmまでの微細配線形成が可能な事を確認している。

一方で、既存のラインを使用したウェット処理によるアンダーカット対策も求められている。これらの要求に対して、現像工程内の現像処理後に追加薬液処理することでスカム除去し、アンダーカット抑制可能なウェットデスカムを開発した。以下に液性能を示す。

性能比較

ウェットデスカムの有無及び、プラズマ処理の比較を表1に示す。
ウェットデスカムはプラズマ処理と同等のアンダーカット抑制効果が確認された。また、ウェットデスカムの銅シード層の除去性もプラズマ処理と同等であり、顕著な銅裾残りは見られない。

ウェットデスカムの有無及び、プラズマ処理の比較を表1に示す。
ウェットデスカムはプラズマ処理と同等のアンダーカット抑制効果が確認された。また、ウェットデスカムの銅シード層の除去性もプラズマ処理と同等であり、顕著な銅裾残りは見られない。

処理方法

現像工程内にウェットデスカム処理を追加することを想定しており、従来の工程と生産性は変わらない。また既存の水洗槽を利用することができる。
(別途、温調器追加や補給設備等の増設が必要)
〈推奨:現像工程ウェットデスカム工程/スプレー処理〉
現像→水洗→ウェットデスカム(5~15秒処理)→水洗→乾燥

現像工程内にウェットデスカム処理を追加することを想定しており、従来の工程と生産性は変わらない。また既存の水洗槽を利用することができる。
(別途、温調器追加や補給設備等の増設が必要)
〈推奨:現像工程ウェットデスカム工程/スプレー処理〉
現像→水洗→ウェットデスカム(5~15秒処理)→水洗→乾燥

ウェットデスカムの原理

めっきレジストのDFパターン形成は、まずシード層に貼り付けたDFにUVを照射(露光)し、モノマー成分をポリマー重合(硬化)させる。さらに未硬化のモノマー部分を現像液により溶解除去する事でDFパターンを形成する。現像時に、DFパターンの裾部分や、狭いDFスペース間では現像液の浸食効力が低下するのでモノマー成分の除去が不十分となり、それがスカムとして残留し、アンダーカットの要因となっていると予想される。
ウェットデスカムは、現像で除去困難なモノマー成分のみを溶解することで、プラズマ処理(有機物除去)と同等のスカム除去が可能と推測する。

めっきレジストのDFパターン形成は、まずシード層に貼り付けたDFにUVを照射(露光)し、モノマー成分をポリマー重合(硬化)させる。さらに未硬化のモノマー部分を現像液により溶解除去する事でDFパターンを形成する。現像時に、DFパターンの裾部分や、狭いDFスペース間では現像液の浸食効力が低下するのでモノマー成分の除去が不十分となり、それがスカムとして残留し、アンダーカットの要因となっていると予想される。
ウェットデスカムは、現像で除去困難なモノマー成分のみを溶解することで、プラズマ処理(有機物除去)と同等のスカム除去が可能と推測する。

おわりに

ウェットデスカムWDシリーズは、パターンめっき用DFレジストのスカム除去として、SAPに限らずMSAPにも適用可能である。本プロセスは現像工程内への導入により生産スループットは変わらず既存の生産性を維持する事が可能であり、また、更なる微細配線化に必要な技術であると考える。

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JCUテクニカルレポート 100号 2016年8月