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各種装飾用3価クロムめっきプロセス のご紹介

総合研究所 基幹技術開発部 森川 雄斗 Yuto MORIKAWA 中上 まどか Madoka NAKAGAMI 辻野 峻 Shun TSUJINO

      新規技術開発部 堀 真雄 Masao HORI

      技術情報部   石塚 博士 Hiroshi ISHIZUKA

はじめに

自動車の内外装部品や装飾品の仕上げに施されるクロムめっきは、性能やコストに優れる 6価クロムめっきが主流である。しかし、6価クロムめっきは近年の環境問題への意識の高まりにより、人体や環境に悪影響を及ぼすため規制対象となっており、代替技術が求められている。

その解決策として3価クロムめっきが注目されている。3価クロムめっきでは生産時における有害な6価クロムミストの発生がなく、作業員への健康障害や大気汚染がないため、6価クロムめっきの代替技術として注目されている。

当社では、これまでに外観や耐食性などの特性を満足させる装飾用3価クロムめっきプロセスを開発している。本稿では、市場展開している白色3価クロムめっきプロセス「JCUTRICHROM JTC-WH2(以下、JTC-WH2)」、黒色3価クロムめっきプロセス「JCUTRICHROM JTC-BK(以下、JTC-BK)」および「JCUTRICHROM JTC-BKM(以下、JTC-BKM)」に加え、新たに開発した青黒色3価クロムめっきプロセスについて紹介する。

自動車の内外装部品や装飾品の仕上げに施されるクロムめっきは、性能やコストに優れる 6価クロムめっきが主流である。しかし、6価クロムめっきは近年の環境問題への意識の高まりにより、人体や環境に悪影響を及ぼすため規制対象となっており、代替技術が求められている。

その解決策として3価クロムめっきが注目されている。3価クロムめっきでは生産時における有害な6価クロムミストの発生がなく、作業員への健康障害や大気汚染がないため、6価クロムめっきの代替技術として注目されている。

当社では、これまでに外観や耐食性などの特性を満足させる装飾用3価クロムめっきプロセスを開発している。本稿では、市場展開している白色3価クロムめっきプロセス「JCUTRICHROM JTC-WH2(以下、JTC-WH2)」、黒色3価クロムめっきプロセス「JCUTRICHROM JTC-BK(以下、JTC-BK)」および「JCUTRICHROM JTC-BKM(以下、JTC-BKM)」に加え、新たに開発した青黒色3価クロムめっきプロセスについて紹介する。

特長

JTC-WH2

 白色3価クロムめっきプロセス。

 6価クロムめっき皮膜に近い、明るい色調のめっき外観が得られ、皮膜の耐食性、特に耐塩害性に優れる。

JTC-BK

 黒色3価クロムめっきプロセス。

 均一な黒色外観が得られ、皮膜の耐食性、特に耐塩害性に優れる。

JTC-BKM

 深黒色3価クロムめっきプロセス。

 JTC-BKと比べ、黒味を増した皮膜が得られる。

開発品

 青黒色3価クロムめっきプロセス。

 JTC-BKM 同等の黒味でありながら、黄色味を抑えた青黒色外観が得られる。

JTC-WH2

 白色3価クロムめっきプロセス。

 6価クロムめっき皮膜に近い、明るい色調のめっき外観が得られ、皮膜の耐食性、特に耐塩害性に優れる。

JTC-BK

 黒色3価クロムめっきプロセス。

 均一な黒色外観が得られ、皮膜の耐食性、特に耐塩害性に優れる。

JTC-BKM

 深黒色3価クロムめっきプロセス。

 JTC-BKと比べ、黒味を増した皮膜が得られる。

開発品

 青黒色3価クロムめっきプロセス。

 JTC-BKM 同等の黒味でありながら、黄色味を抑えた青黒色外観が得られる。

性能

図1に L*a*b* 表色系の模式図を、表1に色調の測定結果を示す。各種クロムめっきの色調は分光測色計 (コニカミノルタ社製 CM-700d, SCI モード) を用いてL*a*b* 表色系に基づいて数値化した。

図1 L*a*b*表色系

引用元:https://www.konicaminolta.jp/instruments/knowledge/color/section2/02.html

 

表1 各種3価クロムめっきの色調の測定結果(L*a*b*値)

 

表2にCASS試験を実施してサーフェイスピットレイティングナンバーで評価した結果を示す。この際、CASS試験を40時間実施したサンプルの膜厚はCu: 12μm、Ni: 8μm、Cr: 0.15μmとし、80時間実施したサンプルの膜厚は Cu: 20μm、Ni: 15μm、Cr: 0.3μm とした。なお、3価クロムめっき後には電解クロメート処理を施した。

 

表 2 CASS 耐食性評価結果

 

表2に示すように、いずれのプロセスも良好なCASS 耐食性を有することが確認された。

図1に L*a*b* 表色系の模式図を、表1に色調の測定結果を示す。各種クロムめっきの色調は分光測色計 (コニカミノルタ社製 CM-700d, SCI モード) を用いてL*a*b* 表色系に基づいて数値化した。

図1 L*a*b*表色系

引用元:https://www.konicaminolta.jp/instruments/knowledge/color/section2/02.html

 

表1 各種3価クロムめっきの色調の測定結果(L*a*b*値)

 

表2にCASS試験を実施してサーフェイスピットレイティングナンバーで評価した結果を示す。この際、CASS試験を40時間実施したサンプルの膜厚はCu: 12μm、Ni: 8μm、Cr: 0.15μmとし、80時間実施したサンプルの膜厚は Cu: 20μm、Ni: 15μm、Cr: 0.3μm とした。なお、3価クロムめっき後には電解クロメート処理を施した。

 

表 2 CASS 耐食性評価結果

 

表2に示すように、いずれのプロセスも良好なCASS 耐食性を有することが確認された。

おわりに

本報では、紹介した4つの装飾用3価クロムめっきプロセスにより、多様化する昨今の外観要求に対して幅広い対応が可能となる。今後は、安定した量産体制を構築し、市場展開に尽力する所存である。

本報では、紹介した4つの装飾用3価クロムめっきプロセスにより、多様化する昨今の外観要求に対して幅広い対応が可能となる。今後は、安定した量産体制を構築し、市場展開に尽力する所存である。

その他記事

JCUテクニカルレポート 108号 2020年8月