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低粗度セミアディティブ基板用デスミア・無電解銅めっきプロセス FEED-V

総合研究所 開発統括部

電子技術開発部  清水 悟 Satoru SHIMIZU

基幹技術開発部  森川 雄斗 Yuto MORIKAWA

 

営業本部 CS技術統括部

基幹技術部    岩切 彩 Aya IWAKIRI

 

JCU KOREA CORPORATION  中川 翔太 Shota NAKAGAWA

はじめに

ICパッケージ用プリント基板では、配線の微細化に有利なセミアディティブ法(SAP)が使用されている。これまでSAP用ビルドアップ基板では、エポキシ樹脂の表面を粗化することでシード層となる無電解銅めっきとの密着性が高められていた。しかし、配線の微細化・高周波化に伴い樹脂表面の低粗度化の要求が高まっていることから今後は低粗度表面での化学的密着が必要となる。また、さらなる配線の微細化には後工程でエッチング除去されるシード層は薄い方が好ましく、樹脂表面の無電解銅めっきを薄膜してもビア底部の膜厚が確保できていることが必要となる。

本報では化学的密着力が高く、ビア内の析出性が良好なSAP用高密着デスミア・無電解銅めっきプロセス「FEED-V」について紹介する。

各工程の特長

1) 膨潤 DS-160

過マンガン酸エッチングでの粗化形状は、その前工程の膨潤の種類や条件の影響が大きく、本プロセスの膨潤DS-160は樹脂表面のスキン層(元の樹脂の表面層)を残す設計になっている。デスミア工程でスキン層に官能基を生成し、後の無電解銅めっき工程のコンディショナーと強力な化学結合を形成する(図1)。

 

 

図1 デスミア後の従来浴との比較

 

 

2) コンディショナー PB-175

従来のコンディショナーはマイナスに帯電した樹脂表面に対して、プラスのカチオン成分がイオン吸着することで後工程のPd触媒の吸着量を増強させていたが、そのイオン吸着は密着力が乏しかった。PB-175はデスミア工程で生成した樹脂の官能基に化学結合するコンディショナー成分を採用したことで、低粗度でも密着が得られる。

また、最近のビルドアップ絶縁材は低誘電化・CTE化のため樹脂内のフィラーの含有量が高まってきており、デスミア処理でフィラーの露出量が増えると、フィラー上の無電解銅めっきの未析出や密着性の低下が課題となる。PB-175はこのような新材料に適したコンディショナーであり、従来品と比較してフィラーへの析出性およびピール強度が向上している(図2)。

 

 

図2 ビア壁面の付きまわり

 

 

3) 無電解銅めっき PB-507V

PB-507Vはシアン・EDTAフリー、ブリスターレスで、ビア底部のめっき析出性向上を目的とした薄付け無電解銅めっき浴である。一般的に樹脂が低粗度化すると無電解銅めっき皮膜にブリスター(フクレ)が生じやすくなるが、本プロセスの無電解銅めっきはRa50µm以下の平滑な樹脂上でも添加剤の効果によりブリスターが発生しにくい。

ビアホールの無電解銅めっきではビア底部の膜厚が表層より薄くなる傾向があり、ビア底部の付きまわり確保のため、無電解銅めっき厚は約0.5µm以上が必要とされてきた。PB-507Vはビア内優先析出により表層よりもビア底部の膜厚が厚くなるスローイングパワー100%以上を実現し、シード層の薄膜化が可能となった。これによりフラッシュエッチング量を低下し、さらなる配線のファイン化が可能となる(図3)。老化によりビア内の析出性が低下するケースもあるがPB-507Vは20ターンの老化時でも性能が維持できる。(図4)

 

 

図3 従来浴との比較(表層0.3µm狙い)

 

 

図4 新規液と20ターン処理後の付きまわり比較

 

1) 膨潤 DS-160

過マンガン酸エッチングでの粗化形状は、その前工程の膨潤の種類や条件の影響が大きく、本プロセスの膨潤DS-160は樹脂表面のスキン層(元の樹脂の表面層)を残す設計になっている。デスミア工程でスキン層に官能基を生成し、後の無電解銅めっき工程のコンディショナーと強力な化学結合を形成する(図1)。

 

 

図1 デスミア後の従来浴との比較

 

 

2) コンディショナー PB-175

従来のコンディショナーはマイナスに帯電した樹脂表面に対して、プラスのカチオン成分がイオン吸着することで後工程のPd触媒の吸着量を増強させていたが、そのイオン吸着は密着力が乏しかった。PB-175はデスミア工程で生成した樹脂の官能基に化学結合するコンディショナー成分を採用したことで、低粗度でも密着が得られる。

また、最近のビルドアップ絶縁材は低誘電化・CTE化のため樹脂内のフィラーの含有量が高まってきており、デスミア処理でフィラーの露出量が増えると、フィラー上の無電解銅めっきの未析出や密着性の低下が課題となる。PB-175はこのような新材料に適したコンディショナーであり、従来品と比較してフィラーへの析出性およびピール強度が向上している(図2)。

 

 

図2 ビア壁面の付きまわり

 

 

3) 無電解銅めっき PB-507V

PB-507Vはシアン・EDTAフリー、ブリスターレスで、ビア底部のめっき析出性向上を目的とした薄付け無電解銅めっき浴である。一般的に樹脂が低粗度化すると無電解銅めっき皮膜にブリスター(フクレ)が生じやすくなるが、本プロセスの無電解銅めっきはRa50µm以下の平滑な樹脂上でも添加剤の効果によりブリスターが発生しにくい。

ビアホールの無電解銅めっきではビア底部の膜厚が表層より薄くなる傾向があり、ビア底部の付きまわり確保のため、無電解銅めっき厚は約0.5µm以上が必要とされてきた。PB-507Vはビア内優先析出により表層よりもビア底部の膜厚が厚くなるスローイングパワー100%以上を実現し、シード層の薄膜化が可能となった。これによりフラッシュエッチング量を低下し、さらなる配線のファイン化が可能となる(図3)。老化によりビア内の析出性が低下するケースもあるがPB-507Vは20ターンの老化時でも性能が維持できる。(図4)

 

 

図3 従来浴との比較(表層0.3µm狙い)

 

 

図4 新規液と20ターン処理後の付きまわり比較

 

おわりに

FEED-Vプロセスでは、新開発のコンディショナーによりフィラー含有量が高い低粗度樹脂への高密着めっきへの対応が可能になる。また、無電解銅めっきではビア底部のスローイングパワー100%以上の達成によりシード層の薄膜化が可能となり、SAP配線の微細化に大きく貢献できると期待される。

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JCUテクニカルレポート 102号 2017年8月