株式会社JCU

SPECIAL FEATURE 特集
環境配慮型製品の開発に力を注ぐ

6価クロムフリープロセス開発の背景

従来、プラスチック素材にめっき処理を施す場合、めっき前処理および最外層めっき工程において6価クロム化合物を使用していました。6価クロムイオン(以下6価クロム)はその強い酸化力のため人体に有害とされており、6価クロムを使用しない環境配慮型技術が強く要望されていました。
JCUでは、装飾部品で使用されるプラスチック素材へのめっき処理工程に6価クロムを使用せずとも、従来プロセスと同等の性能が得られる6価クロムフリープロセスをフルラインナップしています。

6価クロムフリー前処理プロセス

プラスチック素材においてめっきの前処理に使用する「6価クロムフリーエッチング」薬品の製造・販売をしています。
一般的に使われているプラスチック素材のめっき前処理薬品には、有害な6価クロム化合物が含まれています。
JCUが開発した6価クロムフリー前処理薬品は6価クロム化合物が含まれておらず、環境にやさしい製品です。
また、6価クロム化合物を含む前処理薬品と同等の性能を有しており、良好な性能と環境への配慮が両立されています。

6価クロムフリーめっきプロセス

装飾部品向け「3価クロムめっき」薬品および3価クロムめっきの後処理に使用する「6価クロムフリー化成処理」薬品を製造・販売しています。従来より装飾めっき部品の最外層にはクロムめっきが多く施されており、その大半は6価クロムを含むめっき薬品を用いて作られてきました。
JCUでは6価クロムを含まない代替技術として、3価クロムめっきを開発しました。
6価クロムめっきの色調に近似した銀白色外観をはじめ、黒色外観を有するめっき皮膜も施すことが可能です。
一方、この3価クロムめっきは、従来の6価クロムを含むめっきと比較するとバリア層が薄く耐食性が劣ってしまいます。
そのためクロムめっき後に6価クロムを使用した後処理を施すのが一般的とされていました。
そこでこの度、6価クロムを使用しない後処理薬品を検討した結果、外観を保ちつつ、従来の処理に比べ耐食性を向上させることが可能となりました。これにより、オールプロセスでの6価クロムフリーを実現することに成功しました。

開発者からのメッセージMESSAGE

環境に配慮されている実感がどのようなところで感じられますか?

(森川)6価クロム不使用の他、環境負荷の低い成分で構成されており、作業環境をはじめ廃水処理性を大きく改善しています。

(中上)人体や環境に悪影響を与えないよう、めっき皮膜からの6価クロムの生成がないように配慮しています。

苦労した点や工夫した点を教えてください。

(森川・中上)めっき皮膜の色調や、耐食性というすぐには目に見えない性能を長期にわたり良好に維持させるため、めっき浴の分析方法、および管理方法の確立には特に念入りなデータ取りを行いました。

アミンフリープロセス開発の背景

プリント配線板向けの「アミンフリー剥離液」を製造・販売しています。
アミンや毒物が含まれるドライフィルムレジスト(以下、DFR)の剥離液は、剥離性能が非常に優れていることから、現在でも広く使用されています。しかし、廃液処理が難しいために環境に及ぼす影響が大きく、その使用が難しくなってきています。そこで、アミンや毒物を使用せず、性能に優れたDFR剥離液を開発しました。それが「アミンフリー剥離液」です。

メカニズムと特徴

「アミンフリー剥離液」は、主成分をアミンではなく無機アルカリとした剥離液です。添加剤の効果により、DFRへの浸透性を向上させることができます。これにより、添加剤のない無機アルカリ水溶液では剥離が困難なDFRでも、きれいに剥離することができます。また、従来のアミン系剥離液と比較すると、添加剤成分中にアミンや毒物を含んでいないので、お客さまの工場等で廃液処理をすることが容易になります。

開発者からのメッセージMESSAGE

苦労した点や工夫した点を教えてください。

めっきと比べ、微細配線に対応可能な非アミン系の工法の歴史が、比較的新しいために苦労しました。まず対象物であるDFRを理解する必要がありました。DFRメーカーに、DFR基材や情報の提供をご協力いただくことで、剥離に適した薬品群を推測し、その中から有効な成分を見出せました。廃液処理についても、水処理が得意なメーカーに廃液処理のプロセス選定やデータ採取にご協力いただきました。「アミンフリー剥離液」は様々な方々の知恵と助力により、開発された剥離液だと思っています。

シアンフリーにも取り組んでいます

電子部品向けとして、「ノーシアン銀めっきプロセス」の研究・開発をしています。
従来の銀めっきにはシアン化合物が配合されています。しかし、シアン化合物は毒性が強く、人体や環境への影響が大きいため、シアン化合物を含まないめっき薬品の要望が高まっています。そこで、シアン化合物を含まない環境に優しいノーシアン銀めっきプロセスを開発しました。毒性金属も含まず、皮膜特性に優れた製品です。現在はLED向けにのみ製品化していますが、高い信頼性が求められる車載部品で、お客さまからの要求が高まっているため、高速めっきの研究に取り組んでいます。