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代表取締役会長兼CEO 粕谷 佳允
   第52期中間報告書を差し上げる当たり、一言申し上げたく存じます。2011年は3月11日に東日本大震災が発生し、9月には和歌山・奈良地方を中心に大雨洪水となり、また東海関東地方にもその余波とも云うべき大豪雨と強風が吹き荒れる異常とも思われる天災地変が相次いで起りました。更に、10月にはタイの大洪水で日本の自動車メーカーをはじめとする多くの日系企業の工場が水没の被害を受け、福島の放射能問題を含め、自然現象の異変で私たちの企業活動も様々な障害に対処せざるを得ませんでした。そのような中で株主投資家のみなさまには既にご承知の通り、アメリカ、EU諸国の経済の停滞と財政の破綻危機及び通貨の一段の下落傾向に歯止めがかからなくなり、異常な円の独歩高という局面の中にあり、更に中国の金融引き締めにより、日本経済全体も八方塞がりの状態が明確となってきました。G20各国とも有効な解決策を見出せぬまま、年明けを迎えることでしょう。

   このような状況の中で、弊社は第52期第2四半期決算を発表することとなりました。上半期の売上高は58億41百万円、営業利益5億17百万円、経常利益4億92百万円、四半期純利益2億76百万円となりました。

   上半期の特筆すべき事項と致しましては、第1四半期を通して東日本大震災による自動車部品メーカーのサプライチェーンの崩壊によるダメージが自動車メーカー各社の生産に大打撃を与え、4〜6月と約50%前後の操業状況が続き、7〜9月と月を追うごとに約65%、75%、85%に回復し、9月末にはほぼ大震災前の状態まで回復致しました。しかし、10月中旬より発生したタイの洪水被害が下半期の売上に大きなマイナス要因とならないかと心配しております。

   次に特筆すべき第2の事項は、スマートフォンやタブレット型携帯端末の売れ行きは国内外を通じて好調に推移致しましたが、その反面パソコンの販売は著しく落ち込みました。従って顧客によって、好・不調がはっきりと分かれる結果となり、株価の下落幅が大きく、評価損による特別損失を計上せざるを得ない会社も現れることとなりました。

国内の状況

   先ほども申し上げた通り、日本の自動車生産は9月末に漸く大震災前の状況に戻りましたので、弊社の自動車用プラめっき薬品の売上が赤字からやや黒字化した程度で、全般に収益には貢献しませんでした。また、パソコン不況とも云うべき状況の中、国内プリント配線板メーカーも一部を除き、軒並み前期を大きく下回る業績となりました。また、大震災の影響で海外へ生産拠点を移した会社も多く、それが国内におけるプリント配線板下請け企業の業績低迷に拍車をかける結果となりました。従いました、国内の売上、利益とも非常に厳しいこととなりました。

海外の状況

   中国の自動車関連薬品は東日本大震災の影響を色濃く反映し、4〜6月分、即ち連結決算の第2四半期に大きく影響し、上半期全体として極めて不調に推移致しました。日本の自動車メーカーの中国での生産状況も殆ど日本と変わらなかったものと思われます。反対に、スマートフォンやタブレット型の携帯端末の関連薬品は韓国の大手メーカーを筆頭に順調に推移し、韓国、台湾、中国を中心に好調な売上となり、自動車用薬品の不調分をカバーしてお釣りが出るほどでした。

   また、その他の海外現地法人もほとんど黒字化致しました。来年の早い時期にインドネシアの現地法人も活動を開始できる予定で、当社社員も現地入りして鋭意準備を進めているところです。 特筆すべき点として日本の「エコノミスト誌」に発表された通り、スマートフォン用エニーレイヤーに使用される当社のビアフィリング銅めっき薬品の世界シェアーは40〜50%に達しており、益々技術開発を加速させ、更なる躍進を果たしたいと考えております。

下半期の課題と戦略

   東日本大震災と福島原発の事故に端を発して日本のエネルギー政策、特にCO2削減の目玉としてきた原子力政策の失敗は新たな原発の建設はおろか、停止中の原発の再稼動も進められない事態となっております。従って各国とも京都議定書に代わる新しいCO2削減目標には明確な意思表示が出来ない状況となっております。原子力に代わる新しいエネルギーとして自然エネルギーの利用が叫ばれておりますが、アメリカをはじめ、EU諸国も財政難に直面して、太陽光発電や風力発電など自然エネルギーの普及支援が難しくなってきております。

   その行き詰った状況の中、弊社は台湾の大手半導体メーカーであるInventec Energy Corporation(以下IEC社)と提携し、当社のコーティング技術である反射防止膜を装着したソーラーパネルを日本国内はもとより、弊社の現地法人を活用して全アジアを中心とした地域に世界最高効率を誇るパネルを日本国内品よりも約30%安価な値段で提供できるよう、台湾のIEC社にJCUブランドのOEM生産を依頼し、原子力エネルギーを補完すべく敢えて大型太陽光発電設備用の太陽電池パネルを販売することと致しました。

   私自身の荏原での経験上、風力発電は起伏の激しい、しかも毎年いくつかやってくる台風に襲われる日本の風土では安定して維持することが難しいと考えて、太陽光エネルギーの利用、普及に専念することと致しました。IEC社は半導体メーカーであり、集光型太陽光発電チップの生産もしており、弊社もその方向で色々な活用の場を検討したいと考えております。また、弊社にとって有利な条件として、荏原電産のパワーコンディショナーを容易に入手できる事情もあります。IEC社のオリジナルパネルもドイツの正式機関のコンペで日本メーカーを抜いて第3位の評価を得ており、弊社の反射防止膜をカバーガラスにコーティングすることで更に3〜3.5%の効率アップが可能となりますから、世界一効率のよい太陽光発電パネルということができましょう。色々な大手装置設置メーカーにおけるコンペに参加し、効率の高さと価格の安さをPRしてゆきたいと考えております。

   次に、自動車及び二輪車用ボルト・ナット事業もいよいよ下半期に向けて本格化しようとしております。特に事務機、家電メーカーがノンクロム化の方向に大変興味を示しており、日本の大手自動車メーカー及び家電メーカーを含めた世界展開をしたいと考えております。プラズマ装置も台湾、中国など販売実績を積み重ねており、今後更に発展することに期待しております。

   また、貴金属めっき、特にNi/Pd/Auについては下半期中には実績として上げられるところまで来ておりますのでご期待ください。

   化粧品につきましては、台湾チームを大幅に拡充して来年春には販売を開始できる準備を着々と進めております。化粧品の場合、経年変化による品質の劣化や女性の皮膚に塗布した場合の効果、また異常が発生しないことの確認試験を繰り返しており、特にアレルギー体質の方々への安全性の確認など化粧品メーカーとしてやらなければならない課題を着々とこなしている段階です。台湾大学の著名な化粧品の研究者ともコンサルタント契約を結び、万全を期して本当によい化粧品を世に問いたいと考えております。

   最後になりましたが、世界経済、日本経済とも非常に困難な局面を迎える中、第2四半期決算のご報告を申し上げましたが、ここに来て、さすがの中国経済も怪しくなってきており、世界経済全体が下半期の弊社の業績にどのような影響を与えるのか、特にタイの洪水被害など、本当に予想ができないと申し上げるのが正直なところでございます。しかし、私達社員一同更なる結束と不断の努力によって精一杯の結果を出すべく尽力致しますので、株主・投資家のみなさまには相変わらずのご支援ご協力を賜りたくお願い申し上げます。

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